最近、豪雨の被害が深刻な問題となっています。豪雨時に一部の地域で聞くのが汚水の逆流。トイレや風呂場、屋外だとマンホールなど。
しかしこの豪雨時の逆流はすべての下水で起こるわけではありません。下水道には合流式と分流式があり、合流式下水道の場合が危ないのです。
分流式下水道の場合は心配無用です。ただ、豪雨時でなくても、合流式でも分流式でも配管が詰まると逆流する事故はあります。
合流式と分流式
合流式とは汚水(台所・風呂・トイレから出た排水)と雨水の両方を合流管へ集め下水処理場へ流れます。
分流式とは汚水は汚水管を通って下水処理場へ、雨水は雨水管を通って直接河川などへ流れていきます。
現在は分流式が主流だが、東京はほとんど合流式
現在の下水道の主流は分流式です。しかしまだ一部の地域で合流式下水道もあります。
しかし下水道が古くから整備されていた東京都は、昔主流であった合流式が多い。東京都は分流化が進んでいません。
合流式をいまさら分流化するのは大掛かりな工事が必要で大変です。
「23区の公共下水道の普及状況」でググると東京都下水道局ウェブサイトの下水マップページがヒットします。そこで東京都のどのエリアが合流式か見ることができます。
他の都道府県でも都市部で下水整備を古くからやっていたところは合流式がそのまま残っているエリアがあります。
合流式のデメリットは大雨時の逆流
合流式は、大雨時に水量が増えて処理能力を超えてしまうと、溢れた汚水が河川へそのまま注がれたり、マンホールから汚水の混ざった水が吹き出したり、あるいは自宅のトイレなどからも逆流してきます。
住んでいる所の下水がどのタイプか知っておこう
自分が住んでいるところが合流式か分流式か知っておきましょう。
知る方法は、手取り速い方法はマンホール蓋で見分ける。
自宅前の道路の公共マンホール蓋を見ます。※自宅敷地内にある私設ますや公共ますの蓋ではなく、道路にある下水管のマンホール蓋のほうを見て下さい。
合流式のマンホール蓋
道路にあるマンホール蓋に合流という表示があれば合流式。また蓋に空気抜きのための穴がいっぱいあります。
分流式のマンホール蓋
道路にあるマンホールの蓋に雨水、汚水、分流などの表示があれば分流式。
汚水菅の蓋にはメンテナンスのためのバール穴以外の穴はありませんが、雨水のマンホール蓋には空気抜きのための穴がいっぱい空いているものもあります(空いてないものもあります)。
逆流対策
住んでいるところの下水道が合流式だった場合は、豪雨時に逆流対策をする必要があります。
豪雨時にトイレや風呂場からの逆流を軽減するには水のうを置く方法があります。以下のウェブサイトを参考にしてください。
ご家庭での下水の逆流を防ぐには? 「逆流防止対策」(北九州市上下水道局)
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/suidou/s01101064.html