「サービス復旧のお知らせ」という件名の詐欺メールに注意!2021年10月13日

希釈後に再濃縮?トリチウム放出のリスク

2021年4月13日に政府は福島第一原発の処理水を海洋放出することを決定。

私は以前、トリチウムを含んだ処理水の放出は反対であるという記事を書きました。これは言い方を変えれば廃棄物の海洋投棄といわれても仕方ありません。

ただトリチウムは世界中の原発でも放出されているもので、トリチウム放出が基準内の濃度になり本当に問題がないならそれはそれでいいと思います。

賛成派反対派で意固地に喧嘩しているわけではないのですからどっちが勝ち負けではなく最終的に理想の方向性へ向かっているならそれでいいと思います。

結局、農薬でも毒でも化学物質でも万物すべての物質が人間へ毒性があるか否かは量の問題だからです。

それで問題がないのならば、あとは風評被害という大きな課題をどう乗り越えるのか。

ただ、福島の事故以前からトリチウムは海洋生物で検出されている実例があり、希釈と言っても総量は相当なものであり、一度希釈されたものが海洋生物によって再濃縮される可能性もあります。

トリチウムとは

トリチウムは三重水素と言われる放射性同位体。

地球上の自然界にはトリチウムは非常に少なくしか存在しない。

トリチウムは身近なものでは時計の夜光塗料として使われている。この量は非常に僅かで、一生浴び続けても人体に悪影響はない。

トリチウムは人体への毒性があります。詳しくは下のリンクから。

トリチウムの生物影響(原理力百科事典ATOMICA)

トリチウムの健康被害について(市民のためのがん治療の会顧問 西尾 正道)

国内メディアは安全を強調

国内のメディアの記事では処理水のトリチウムの総量を、2011年の福島原発事故で放出されたヨウ素131とセシウム137の合計をヨウ素換算した数値と比べ、事故直後よりは極めて微量だから安全だと強調。

しかしあの事故で放出された放射性物質のせいで原発周辺エリアは立入禁止になり、福島近海のメバルなどの28種の海洋生物から基準を超える放射性物質が検出され、出荷停止になった。

2021年2月にも福島県沖でとれたクロソイから基準を超えたセシウムが検出されて出荷が停止。

トリチウムは半減期が12年と短く、希釈して放出するのが理想かもしれないが、イギリスブリストル海峡の海洋生物からは濃縮された高濃度のトリチウムが検出されています。ちなみに福島原発事故前の調査なので事故とは関係なし。

トリチウムを毒性が低いと記述しているメディアもあるが、トリチウムは人体に吸収されやすく人体に有害でなものです。

国連人権理事会によって任命された専門家によれば、トリチウムの放射能の危険度は過小評価されているということです。

中国、韓国、台湾は海洋放出に反対の意思を示し、アメリカは放出を支持。

国連の専門家は海洋放出に関しては遺憾の意を表明。

IAEA(国際原子力機関)は海洋放出を支持。

希釈後に海洋生物で再濃縮される可能性

すべての物質において、人体に毒性が出るか出ないかはその量で決まります。それは放射能であっても有害な化学物質であっても自然毒であっても同様。

トリチウムの希釈まではいい。基準値まで薄まっていれば害はない。

さらに広大な海の海水で更に薄まり、半減期も短いので放っておけばなくなるのでしょう。

ALPS小委員会では “トリチウムを含む水分子は、通常の水分子と同じ性質を持つため、トリチウムが特定の生物や臓器に濃縮されることはない。”という回答がありました。

多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書について(経済産業省)

しかし2001年にはイギリスのブリストル海峡の海洋生物で濃縮されたトリチウムが検出されている報告があります。

Incorporation of organic tritium (3H) by marine organisms and sediment in the severn estuary/Bristol channel (UK)D McCubbin, K S Leonard, T A Bailey, J Williams, P Tossell

イギリスの海洋生物で濃縮されたトリチウムが検出されていることを考えると、処理水のトリチウムが希釈後に海洋生物に濃縮される可能性はあると思います。せっかく希釈しても濃縮されれば希釈した意味がない。

これが実際どれほど人間に影響が出るかはわかりません。しかし福島原発の放出がなくてもすでにこの状態。これは原発全体で考えるべき問題かもしれません。

トリチウムは必須栄養素ではありません。海洋にトリチウムは少ないほどいいので放出しない方法があれば放出しないほうがいいでしょう。放出するトリチウムは少ないほどいい。

トリチウムに不安を抱える人は多く、原発敷地を拡大し処理水のタンクを増設してトリチウムが十分に減衰するまで待ってから放出が理想ではないかと思います。

原発全体の問題

原発は発電の過程でCO2を排出しないし電力の安定供給が可能。

しかしひとたび事故が起これば手がつけられません。福島第一原発もまだ終息していないのです。

代替エネルギーの確保が極めて厳しいため原発をなくすことは大変難しい。しかしながらスイスは様々な課題を乗り越え「エネルギー戦略2050」で2050年までに脱原発をすることを決めています。

スイスは水力発電をメインとし、太陽光発電と風力発電を4倍に増やす。一人あたりのエネルギー使用量を減らす目標も掲げられています。

代替エネルギーも大切だが、エネルギーの無駄使いをなくすことが大切。日本は夜景が綺麗と言われるがこれは逆を返すとエネルギーを無駄に消費している証拠。

処理水に関してはそもそも原発がなければ存在しなかった問題。原発は発電所としては優秀だが事故が起きれば非常に厄介。

風評被害

処理水を放出しなくてもブリストル海峡で濃縮されたトリチウムは検出されている現実。昔から他の原発からもトリチウムは放出されており、その環境で我々は今まで生活をしてきました。

福島原発のトリチウム放出程度ではおそらく大きな環境変化は起きないでしょう。ただ風評被害は甚大なものになる可能性があります。

人は一度怖いと脳に刻まれると、その後何を説明しても安心に変わることは難しいかもしれません。染色体が切断されると聞いただけで、ちょっとでも暴露したらすぐに健康被害が出ると受け取ってしまう傾向があります。

しかし自然界での放射線でもレントゲンでも染色体は損傷し続けています。

染色体は僅かな損傷は修復します。問題は一度に多く暴露した場合なのです。その場合修復が追いつかない。だから結局は健康被害が出るか否かは量の問題なのです。

その量が問題ないとお墨付きであれば問題はないでしょう。

東京電力は福島第一原発周辺の近傍海域でトリチウムの海水濃度、福島第一原発沖で魚介類のトリチウム濃度を測定し続けています。福島県も海水濃度を測定。ー原子力規制庁も測定しています。

どうしてもリスクが怖いというならば、福島の処理水だけでなく世界中の原発をなくすしかありません。

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