7月の豪雨で川の氾濫が相次ぎました。
川というのは下流ほど経年で土砂が堆積し続け、砂州が増えていきます。これは定期的に浚渫(しゅんせつ)して土砂を取り除いていかないと、水が流れる断面が狭くなっていきます。
これが進んでいくと豪雨時に川の土手から水が溢れ出しやすくなり、氾濫リスクがあがります。
7月の豪雨で氾濫した川がすべてかはわかりませんが、浚渫(しゅんせつ)が進んでいない川は多いと思います。
浚渫とは
川の浚渫(しゅんせつ)とは、川底の土砂を取り除くことをいいます。治水対策や水質改善として行われます。
私が住んでいる地域の室見川の浚渫の動画をユーチューブで見つけることができました。
これは2度目(前回は2018年)の浚渫。2020年7月現在はこの工事はとっくに終わっています。さらに1km上流の橋本橋も数年前に浚渫が行われました。
室見川は私が記憶にある2015年からでも、積極的に浚渫を進めている印象です。あちこちでもう何回も見てる。
ただ、それでもまだ福重小のあたりは砂州が巨大に発達し、かなり放置されているので2mはあろうかという草と3mは成長したかという木が生い茂っています。ここもたしか2016年位?に浚渫があった場所。しかし砂州はかなり残していた。
個人的には他の場所も、もっと浚渫をやっていくべきだと思います。
ちなみに1997年の小田部大橋からみた福岡市室見川。すでにこんなかんじ。2015年はこれよりもっと発達してすごかった。
同じ1997年で別の角度から。角度を変えると以外に川幅が広く見えます。
一枚目と二枚目で画像が大きく違うけどほぼ同じ時期です。カメラが違うので色などが違うように見えているだけです。一枚目はフィルムカメラをフォトCDでデジタル化。二枚目はデジカメ。
一枚目の写真の手前の砂州は2回の浚渫で現在はなくなっています。
ただ、福岡県土整備部によれば、砂州をすべてなくしてしまうと水生生物の環境を悪くしてしまうので環境に配慮して、水際の堆積土砂は少し保全する形で工事が行われているということです。
放っておくとどうなるか
河川の下流域は土砂が堆積しやすい。
この土砂が長い年月をかけて川底にどんどん堆積すると、そのうち砂州ができ、長い期間放置された砂州には草や木が生えてきます。
土砂がどんどん堆積すると水が流れる断面が狭くなります。そうなると豪雨などで流量が増えたときに氾濫しやすくなります。
この溜まっていく土砂は定期的に浚渫して取り除いていく必要があります。
もしもずっと浚渫をしないでいると、どんどん川底が上昇しそのうち天井川に(平地より川底が高く)なります。天井川は全国にいくつもあります。天井川は非常に危険なのでそうならないようにしなくてはいけません。
浚渫に終わりはない
川の土砂は延々とたまり続けます。浚渫は川のメンテナンスです。
一度完成して終わりではなく定期的に取り除いていかないといけません。
福岡市室見川は記憶にある限り氾濫は1953年の西日本水害以来聞いたことがないです。室見川は数々の豪雨を乗り越えてきました。けれど結構危なかったときは何度もあります。
九州やその他多くの川も同様に浚渫が進んでいない傾向があるのではないでしょうか?毎年多くの氾濫が起きているのですから、本気で浚渫を取り組んでいくべきではないでしょうか?