ガソリンスタンドの火災をニュースで聞くことは殆どありません。
しかし全国では毎年数件ペースで火災事故が発生しています。
軽微な火災だったからかもしれませんが、ニュースにないといかにも安全で火災が起こりにくいように錯覚します。しかし実際はガソリンスタンド火災は毎年起こっているのです。
ガソリンは気化した部分からも引火します。取り扱いは非常に神経使わないといけません。
事故は起こっているという現状を知ってほしい
総務省消防庁の「ガソリンスタンドにおける火災事故」によれば毎年数件ペースで火災事故が起きています。
だけどそれを実感することはありません。
なぜならニュースで見ることがほぼないし聞くこともほぼないからです。ニュースにないと火災事故は起きてないものと勘違いしがちです。だけど毎年火災事故は発生しているのです。その中でもセルフサービスの火災の件数が多い。
我々はガソリンスタンドでの火災について危機感が薄いと思います。
普段ガソリンスタンド火災を耳にしないからと言って安心してはいけません。ガソリンは大変危険な燃料です。今一度危険性を認識して慎重になる必要があります。
ガソリン火災の怖さ、セルフ利用者は慎重に
現在はセルフサービスのガソリンスタンドがほとんどです。自分で給油します。ガソリンの取り扱いに関して全くの素人が給油しているのです。
ガソリンは引火性が強いです。気化した部分にさえ引火して燃え上がります。
一度燃え上がれば消化器程度では手が付けられません。燃えるというより一瞬で全体が燃え上がって火柱になります。臭いは灯油と全く同じですが危険性がまるで違います。
ガソリンと灯油を間違うと大変な事故へ繋がります。灯油は透明ですが、ガソリンはオレンジに着色して見分けがつくようにされています。
我々はこの危険な燃料を自分で車へ給油しているのです。きちんとした知識を身に着けて慎重に取り扱って作業するべきです。
給油中にもし引火して燃え上がったら
アメリカでは給油レバーを開放状態で固定できるので悲惨な事故が度々発生します。
給油中に引火して燃え上がり、慌てて給油口からノズルを引き抜いて、ノズルからガソリンがこぼれ飛び散って周囲に炎が一瞬で広がるケース。
下の動画は引火してノズルを引き抜いた途端、ガソリンが流れ出て一瞬で炎に包まれます。
給油口から引き抜いたところで車の給油口の炎が消えるわけではありません。むしろノズルからこぼれ落ちたガソリンが燃えて周囲に炎を撒き散らすことになります。
日本では給油レバーを開放状態では固定できないセルフスタンドが多いですが、中には開放状態で固定できるラッチオープンノズルのところもあるようです。
もしも給油中に引火したら
ノズルは引き抜かずにそのままで!
その場からすぐに離れてスタッフに連絡してください。
ガソリンスタンドで気をつけること
火気厳禁
エンジンを切る、喫煙厳禁。
まあ当然ですね。
静電気対策
給油機に静電気除去シートが備え付けられてありますので、キャップを開ける前に静電気を除去します。どうせ引火しないだろうから別に触れなくてもいいやと思っていませんか?
セルフスタンドはこの注意書きが義務つけられていますが、これは2001年に静電気で起きた2件の火災事故がきっかけになっています。めったに起きないだろうと軽く考えてると怖いですよ。
給油ノズルは奥まで差し込み、オートストップが作動したら継ぎ足し給油はしない
奥までしっかり差し込まないと吹きこぼれる可能性がります。そして給油トリガーはしっかり引く。
これもしっかり引かないとオートストップが機能しないことがあります。そして継ぎ足し給油はしない。継ぎ足した場合オートストップが作動せずに溢れ出すことがあります。こういった事故がかなり多いそうです。
ちなみに二輪だと車のようにノズルが奥まで差し込めないのがほとんどです。目で見ながら吹きこぼれないように慎重に給油する必要があります。
二輪ではタンクを揺すって空気抜いて蓋のギリギリまで入れる人がいますが、あまりギリギリに入れると蓋を締めたあとにガソリンが蓋から滲みでてくる恐れがあります。
万が一引火した場合は給油口からノズルを抜かないこと
ラッチオープンノズルの場合、抜いたらガソリンがこぼれ出て一瞬で炎の海になります。
さいごに
現在のガソリンスタンドはほとんどがセルフサービスです。
そこでは引火性の高い危険なガソリンを素人が給油しているのです。
これが日常の風景なんです。ガソリン火災は本当に怖いです。木や紙や灯油が燃えるのとはわけが違います。一瞬で炎の海になりかねません。ガソリンスタンド火災事故は毎年数件ペースで発生しているということ。
我々素人は普段何気なく給油していますが、取り扱いで注意すべき点はきちんと学んでおく必要があります。
ガソリンスタンド火災は毎年数件発生しています。