2020年10月2日に、イノシシ用の罠にかかったニホンカモシカを助けようとした70歳の男性の足に暴れたシカの角が刺さり、男性は死亡。
その後、新城市は愛知県の許可を得てシカを殺処分。
この殺処分は適正だったのか、この記事で議論します。
ニホンカモシカの角が刺さり死亡
2020年10月2日、愛知県新城市の山中で害獣であるイノシシ用の罠にかかってしまった特別天然記念物のニホンカモシカを70歳の男性が助けようとしたが、シカの角が太ももに刺さってしまい、男性は死亡。
男性は通りがかった素人ではなく、有害鳥獣捕獲従事者。
ニホンカモシカの角は短いが鋭く刺さりやすい形状です。太もものおそらく動脈を突き破ったのでしょう。出血多量でショック死だったのでしょうか。
有害鳥獣用の罠にかかったニホンカモシカの死骸が見つかる事故は全国で結構あるようです。罠にかかったニホンカモシカを見つけた場合は市に連絡することになっています。
愛知県の許可を得て殺処分
ニホンカモシカは国の特別天然記念物であるが、男性が死亡したこともあり、愛知県の許可を得て新城市の猟友会が殺処分。
ニホンカモシカは1955年に国の特別天然記念物に指定されたが現在は生息数が一部の地域を除いて大幅に増えているそうです。
この事故とその後の対応の問題点
一部のニュースでは「ニホンカモシカに刺されて死亡」などという見出しが付けられていますが、これはちょっと聞こえが悪いです。
これではニホンカモシカが凶暴で危険な動物のように聞こえます。
そうじゃなくて、これはニホンカモシカの角が刺さった事故なのです。
ニホンカモシカは性格がおとなしく、人が下手に興奮させるような行動を起こさなければ全く問題はないのです。罠にかかって必死で抜け出そうと興奮していたところへ人間が来た。
シカは襲われると思い、身を守るために暴れたのではないでしょうか?そのときに運悪く鋭い角が太ももへ刺さった。
何もしない人に対してはニホンカモシカは人を襲いません。殺処分をせずにそのまま自然へ返しても安全的に全く問題はなかったはずです。それを殺処分した。ニホンカモシカは熊じゃありません。
助けようとした70歳の男性も、殺処分は望んでなかったはずです。70歳の男性はシカに助かってほしかった。そう望んでいた。そのために助けに入った。しかしそのシカは殺処分された。男性の死は何だったんでしょうか?
ニホンカモシカを殺処分しても安全性向上などの問題解決にならないですし何のメリットもありませんし何も変わりません。ただの見せしめ的な儀式でしかないです。
男性の死は残念ではありますが、こんな意味のない形だけの儀式でシカの命を奪わないでほしいです。