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停止と停車の違いって何だ?

停車と駐車の違いを覚える機会は教習所であったと思いますが、停止と停車の違いは一切触れることなくモヤモヤで終わっている印象。

ネットでは停止と停車を同じとする声が多い。しかしそうなると駐停車禁止のところでは信号待ちで停止もできなくなるのでは?

そこでこのモヤモヤを解決していきましょうか。

道路交通法

道路交通法での停車の定義です。

停車 車両等が停止することで駐車以外のものをいう。

出典:道路交通法第2条19

道路交通法では停止と停車の定義が記されていません。停車は道路交通法用語で定義があるが、停止という道路交通法用語はなく、車両における停止は停車の行為の一つとなっています。

停止 動いていたものが止まること。

停車 動いていた車両等が停止することで駐車以外のもの。

停止というと、日本語的な意味合いでは動いていた物体(車でも人でも機械でも)が止まることです。停車は車両等が止まること(駐車以外)。

信号待ちで停止すると駐停車禁止違反?

赤信号で停車した場所が駐停車禁止場所だと違反となってしまうのでは?

のような疑問が出てきます。

道路交通法 第九節 停車及び駐車(停車及び駐車を禁止する場所)ではこう書かれています。

(停車及び駐車を禁止する場所)

車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。

出典:道路交通法第44条(※黄色線は環境めぐりで引いたもの。)

ということで信号待ちでの停車はOK。

なぜ停車禁止ではなく停止禁止?

ただし、消防署の車庫の前が路面標示により「停止禁止」と表示されている場合、赤信号の列の後方で停止することになった場合であってもここのエリアで停止することはできない。

この場合、渋滞気味で前方の信号が赤に変って停止禁止エリア内で身動きが取れなくなる恐れがある場合は進行方向の信号が青(緑)でも進入してはいけない。これは教習所での学科試験の問題にも出ることがある。

標識令には、停止禁止部分(規制標示107)は道路交通法第50条第2項の規制とある。

交通法第五十条第二項の道路標示により、車両及び路面電車がその進行しようとする進路の前方の車両及び路面電車の状況により停止することとなるおそれがあるときは入つてはならない部分(以下この項において「停止禁止部分」という。)を区画すること。

出典:道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(別表第五(第九条関係)規制標示 停止禁止部分(107)

車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない。

出典:道路交通法第50条第2項

道路交通法第44条(停車及び駐車を禁止する場所)は「車両は道路標識等により停車が禁止されていても赤信号での一時停止はOK」。

道路交通法第50条第2項(交差点等への進入禁止)は「車両等は道路標示によって区画された部分で停止する恐れがあるときはここに入ってはならない」。

道路交通法第50条第2項では「停車」という言葉は用いられていないのはその対象を車両に限らせてはいないこと。車両とは道路交通法第2条第8号で「自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバス」と定義される。車両等とは道路交通法第2条第17号で「車両又は路面電車(以下「車両等」という。)」という表現で出てくる。

しかし、道路交通法第2条第19号の停車の定義は「車両等が停止することで駐車以外のものをいう。」と、対象は車両だけではなく車両等(車両と路面電車)である。ただし法44条は「車両は・・停車・・」という表現であるため対象は車両のみ。

停止というのはその行為を表現する意味合いで用いられている感じです。

長くなったがまとめる

種別内容
駐車車両など(車両と路面電車)が継続的な停止ですぐに運転できない状態。
運転手が車の中にいても客待ち、荷待ちや故障などは駐車となる。
停車駐車以外の停止。
つまり車両など(車両と路面電車)がすぐに移動できる状態。
停止動いているものが止まること(日本語的な意味合い)。
単に停止というと、歩行者も含まれる。

停止は道路交通法の定義ではなく、日本語の定義であるということ。なので、道路交通法では行動的な表現として用いているだけで、停車と停止の違いという考え方は適切ではないでしょう。

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