食べる時、誰もが当たり前のように出る唾液。
この唾液の役割はあまりに大きい。唾液がしっかりと分泌され、唾液の働きで口の中の健康が保たれているのです。
だが近年、唾液が少ないドライマウスの人が増えていると言われています。唾液はきちんと出ていますか?唾液が十分でないために食べ物を飲み物で無理やり流し込んでいませんか?
唾液の役割とドライマウスについて話していきましょう。唾液はすごいんだぜ!
唾液の凄さ
- 虫歯、酸蝕歯、歯周病予防。
- 食事を飲み込んだ時、喉から食道をスムーズに通過させる役割。
- 口の中を保護する。
- 口の中を中性に保つ。
- 食べかすなどを取り除く。
- デンプンを麦芽糖に変え吸収しやすい形にする。
唾液は食事をして口の中が酸性になっても、唾液の作用で中性に戻り始め、歯の脱灰をストップさせます。
さらに唾液にはリン酸とカルシウムが含まれていて、食事などで脱灰した歯の再石灰化を促進しますので、
虫歯、酸蝕歯、歯周病の予防・抑制
になります。唾液を酸性と思っている人もいるかもしれませんが、唾液はほぼ中性です。
唾液は食事を飲み込みやすくします。唾液が減ると食べ物がスムーズに喉を通らずに詰まりやすくなります。
口の中を殺菌・抗菌し、粘膜を保護する作用があります。
唾液には、殺菌・抗菌作用があるリゾチーム、ラクトフェリン、粘性があり表面を覆って保護するムチンを含んでいます。唾液は口臭予防にもなります。
唾液パワーはすごいのだ。
唾液が少ないドライマウスが増えている!
唾液が少ないため食事中に飲み物で流し込む人は多いです。
しかしもともと人間は飲み物なしで何百万年と食べてきたはずです。他の陸上哺乳類でも食事中に飲み物で流し込む動物はいません。
唾液が十分に分泌されていれば喉を通っていきます。食べながらちょこちょこ飲むなんてのは人間だけですよ。
そもそも食事に必要な唾液は十分に分泌されるはずなんです。しかし現代人はこの唾液が減ってきています。
唾液の分泌が低下する症状は口腔乾燥症(ドライマウス)と呼ばれています。ドライマウスは全国で推定800–3000万人もいると言われてます。
唾液が減る原因
正常な人は唾液は1日で1–1.5リットルほど分泌されます。すごい量ですよね。
- 加齢によるもの。
- ストレス
- 偏った食べ物
- 薬の副作用
- 喫煙
- 糖尿病など
偏食が原因の場合。
柔らかくて水分量が多い食事中心、つまりほとんど噛まないで食べられるものが多い偏食生活。急いで食べようとあまり噛まずに飲み物で流し込む癖がある人。
ビタミンゼリーだけで済ませる人。カップ麺ばかり食べたり、ふわふわの柔らかい菓子パンをさらに飲み物で柔らかく溶かしてあまり噛まずに流し込むような、ほとんど咀嚼しない生活。
さらには、肉は高いから安いプロテインドリンクだけでいいじゃないか、ビタミンは野菜を食べずサプリだけでいいよね?サプリがあるのにわざわざ野菜食べる必要ある?といったサプリメント思考の人がいます。
それは噛まずに飲み込むだけの食生活であり、ドライマウスの原因になるかもしれません。噛んで食べるということは大事なのです。
食の欧米化で食べ物がやわらかいからよく噛まない、唾液が出ない云々など、いかに欧米化が不健康であるかを強調することが多いですが、これについては私はちょっと疑問です。
ご飯や味噌汁や魚や納豆だって柔らかいです。ご飯とパスタで固さは変わりませし、魚より肉のほうが固いです。魚の煮物や刺し身より、とんかつや唐揚げのほうが固いです。しっかり咀嚼しないと食べられません。
ストレス。
規則正しい生活習慣。バランスの取れた食事、適度な運動。とはいえ仕事のストレス、残業や人間関係など現代人は避けられない部分もあって、ストレスを無くすのは容易ではないです。
喫煙者は禁煙推奨。
喫煙はあらゆる疾患の原因となります。タバコは百害あって一利なし。来年から健康増進法が改善され、受動喫煙対策で屋内の施設はあっちもこっちも禁煙になります。これを機会に禁煙をするのもいいかもしれません。
唾液を分泌させようぜ
唾液の分泌を促す食べ物で唾液を増やす
酸っぱい柑橘類、梅干しは唾液が分泌といいますが、レモンや梅干しはPH2という酢と同じレベルの強い酸性。
歯のエナメル質はPH5.5を切ると脱灰を始めます。
いかに唾液が中性に傾けると言ってもこれらの食べ物をちょこちょこ口に入れてると酸蝕歯のリスクが上がるかもしれませんので、間食などで単体で食べるのではなく、食事で他の食べ物と一緒に食べる方法がいいかもしれません。
また、ガムを噛む、その他硬い食べ物をゆっくり咀嚼することで唾液の分泌が促されます。
美味しいものを食べて唾液を分泌させる
美味しそうな食べ物を見て、味しそうな香りを味わって唾液分泌を促す。そして美味しいものを食べる。自炊すると調理している間に唾液も出てくるでしょう。
美味しいと感じるものはそれだけ食べる意欲が湧きますので唾液もよく出ます。お腹が空いているときにグルメ番組を見るのもいいかもしれません。
よく噛む
これはよく言われてることですね。急がずにしっかり噛んで食べる。食事がさっと終わらせるだけの単なる作業になっていませんか?食べ物は味わいましょうよ。
食事は楽しむ。その方が幸せになれます。咀嚼することは健康にいいんです。
唾液を出して健康に
食べ物を目の前に、ずっと「マテ」されている犬を見て下さい!
だらだらとよだれが垂れてきます(笑)。食べたい、食べたい、美味しそう、その気持ちが唾液を分泌させます。あれくらい唾液があれば食べ物なんてサクサクのスルスルですよ。
現代人は唾液が少ない傾向。固形物を食べるときに飲み物で流し込むといったスタイルは普通じゃありません。急がずゆっくりしっかり噛んで唾液を分泌させて、口の中を健康に。
口の中の健康は全身の健康に繋がります。
唾液は口の中を守るバリアです。