指定場所一時停止の道路の路面にある、「止まれ」の文字。実はこの文字自体に法的効力はない。法的効力があるのは規制標識である一時停止標識(330-A・B)のほう。
止まれの標識が規制標識で、その停止位置を指示したのが指示標示である「停止線」、そして「止まれの文字」は道路標示ではなくこれは法定外表示。
その他「速度落とせ」の路面ペイントの文字も法定外表示で法的効力はない。
で、ここからが本題。
そもそも道路の路面にある白い文字って、全部法定外表示なの?
従わなくても違反にはならないの?
という疑問を持つ人もいるようで、どれが法定外表示かどれが道路標示かわかりにくい部分もあるかもしれませんし、規制力となる文字タイプの規制標示の種類をすべて列挙します。
従う義務のある文字(道路標示)
道路の路面にペイントされた文字で法的効力のあるものです。一応ここにあるもので全部だと思いますが、ひょっとしたら
規制標示
規制標示とは、特定の交通方法を禁止又は指定するもの(交通の方法に関する教則)。
つまりこの標示そのものに法的規制力があります。
最高速度(105)
最高速度を規制したもの。速度の数字は30以外にも色々パターンがあります。
車両通行区分(109の3)
車両通行帯が設けられた道路において、車両の通行区分を指定したもの。文字のパターンはいくつかあります。
特定の種類の車両の通行区分(109の4)
車両通行帯が設けられた道路において、車両の種類を特定して通行の区分を指定したもの。
牽引自動車の高速自動車国道通行区分(109の5)
車両通行帯の設けられた高速自動車国道の本線車道において、牽引車を牽引している牽引自動車の通行の区分を指定したもの。
専用通行帯(109の6)
特定の車両が通行しなければならない専用通行帯を指定し、他の車両が専用通行帯以外の通行帯を通行するように指定したもの。
路線バス等優先通行帯(109の7)
路線バス等以外も通行できるが、路線バス等が後方から接近してきた場合、路線バス等以外の自動車は路線バス等の邪魔にならないように当該車両通行帯から出なければならない。混雑で出ることが出来ない場合はそもそも通行してはいけない。
指示標示
指示標示とは特定の交通方法ができることや道路交通上決められた場所などを指示するもの(交通の方法に関する教則)。
つまりこの指示標示そのものに法的効力はありません。指示標示は特定の交通方法を指定したり禁止するものではありません。
ですが道路交通法のルールを指示したものであれば結果的にそれに従うことになり、下の指示標示である二段階停止線の文字には従わないといけません。なので例えば四輪自動車が二輪の停止位置で停止すれば違反です。
ということで、
二段停止線(203の2)
二段停止線の標示自体には法的効力はなく、二輪の停止位置に二輪以外の車両が停止することを禁止する力そのものはこの標示にはありません。
しかしこの二段停止線は交通整理の行われた交差点に設置されるため(交通規制基準)、信号機の規制により停止義務が生じれば、その停止位置は「道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前」(道路交通法施行令第2条の備考)である。
その道路標示に二輪と二輪以外の停止位置が示されているわけで、つまり結果的に赤信号でその標示に指示された各車両の停止位置を超えて進行すると信号無視の違反となります(=普通自動車が四輪停止線を超え、二輪停止線で停止すると違反である。)。
停止位置の直前で停止しないと違反(だから二輪はすり抜けしろ)というものではなく、道路交通法施行令第2条にある通り、赤や黄色の場合は「車両は停止位置(停止線の直前)を越えて進行してはならない。」ということ。
規制力はない文字(法定外表示)
ここから紹介するのは法定外表示で法的な効力のないものです。
法定外表示の路面の文字は無数にあります。これはいくつか例を上げます。
- 止まれ
- 速度落とせ
- 通り抜け禁止
- 交差点あり注意
- 合流注意
- スクールゾーン
- 駐車禁止
- あっ!
- ゆずれ
など(他にも多くあります)。
これらは法定外表示であり、道路標示ではありません。つまりこの文字そのものに法的な効力はありません。
ただ、法定外表示で文字の規制力がないとは言っても、その場所におけるルールで禁止行為となっていることもありますので、なんでもかんでも無視すると違反となったり事故を起こす可能性もあります。
(例)一時停止の標識がある場所に「止まれ」と路面ペイントされていた場合。
(例)駐車禁止の道路標識等がある場所に「駐車禁止」と路面ペイントされていた場合。