ビルディングの明かり、車のライト、道路の照明、電飾や広告・・・
様々な光で溢れる明るい夜景を見て、皆口を揃えて「綺麗だね」と口ずさむが、私に言わせるとそれだけエネルギーを夜中まで大量に消費している証拠と感じるので、正直良い感じではないです。
夜景というのは多くの人に支持されているのでこういう記事を書くと叩かれるのかな?でもやはり光を大量に放つ夜景というのは環境問題的に素晴らしいことではないと思います。
夜は暗くなるのが普通ですから。
夜景が明るいほどエネルギーを使っている
ちょっとこれ見て下さい。
NASAが公開している宇宙から見た夜の地球。
これを見ると夜景が明るいということの是非を考えさせられます。明るいほどエネルギー消費が多いと言えると思います。どれだけ温暖化へ加担しているかの目安と見ることも出来ると思います。
テレビや観光雑誌やインターネットサイトでは百万石の夜景とか三大夜景などと夜景のきらめきが素晴らしいことのように紹介することがありますが、私は全然喜べません。
明かりが大きい地域ほど夜間まで活動が活発に活動している証。
人類が現れる前の地球の夜景は真っ暗でした。せいぜい月明かり程度。ところが人類が登場し、文明が発達。石油ランプからガス灯、そしてアーク灯、白熱電球、LEDへ。暗かった夜の街には街灯が灯り次々と明るくなりました。
昼間に活動し、日が暮れると寝ていた人類は、照明の発達で夜間でも昼間と同じように活動するようになります。
ここで問題にしているのはライトアップや電飾など本来必要ではない明かり。
こういう物が制限なく増えていくと見た目は綺麗であっても、本当に無駄な電力でしかない。クリスマスイルミなど年に一回程度のイベントでの使用は仕方ないと思うが、日常的に設置し、使用されているものは明らかに電力の無駄であると思います。
明るい夜景は天体観測にも影響が出る
夜景が明るい場所では天体観測に影響が出ます。
街の夜景が明るいほど星が見えにくくなります。
実際都会では星が見えにくいです。本来地面や看板などを照らす光が空まで照らしているので見えにくくなります。
これは宇宙の果てまで光が届いて宇宙を明るくしているというのではなく、街の明かりが空気中の微粒子に反射して拡散してしまい夜空(大気)が明るくなってしまうということです。
つまり天体観測の障害になります。この問題は世界中の専門学者が警鐘を鳴らしています。
昔の夜空は星がたくさん見えて綺麗だったそうです。夜景が綺麗に見えるより、星が綺麗に見えるほうが素晴らしいと思いませんか?
日本は夜間室内照明が明るすぎる傾向
室内照明で思うのは、昼間以上にギラギラ明るくしているということ。
ショップの照明にしろ、自宅などの室内照明にしろ、あまりに明るすぎてむしろ目が疲れるレベル。昼間の屋外より明るいのではないかというとこもある。ここまでギラつかせる必要はあるのだろうか。
不必要な明るさは電気の無駄でしかありません。
ちなみに欧州では室内照明をあまり明るくしていません。ホテルの部屋も天井の真ん中に大きな照明がなかったりします。
例えばスイスのスーパー店内の照明も日本と比べると暗い感じです。が不便な暗さというわけではなく、原点に戻れば本来これが適正な明るさかもしれません。
つまり日本でギラギラと不必要なレベルまで明るくする環境で生活しているとそれが普通になり、欧州の照明を暗いと感じる。ですがスイスに長く滞在するとこれが普通に感じてきます。
※欧州人は目の色が違う為、明るさの感じ方が違うと言われています。
しかし光量を調節するのは瞳孔の大きさです。瞳孔の大きさは虹彩で調節され、瞳孔を通過した光が網膜に当たりその信号を脳に伝えて映像として認識します。虹彩は光を感じとる部分ではありません。
瞳孔の大きさ調整と網膜の感度調整で眩しさの感じ方は変わりますが、実際は虹彩からも若干光を通すらしいので、虹彩の色が薄いと明るい場所では眩しく感じ安いのはあるかもしれません。
しかし暗い場所での見えやすさは薄い色の虹彩であろうと黒っぽい虹彩であろうとほとんど差はないと考えます。
最近は室内照明も蛍光灯から省電力のLEDへと変わってきましたが、このLEDは便利です。明るさを調整できます。もともと省電力のLEDですが、明るすぎると感じれば、調整して適正な明るさまで抑えるとさらに節電することが可能です。
多すぎるライトアップや電飾は法令で規制していいと思う
建物を見せるだけが目的のライトアップ、派手な電飾やネオン管、大きな液晶ビジョンの広告、こんなものは電力の無駄でしかないと思います。
クリスマスや大晦日、花見の桜などイベント時に期間限定で行うものは全然いいとして、日常的な設置はとっとと法令で規制するべきだと思います。特に渋谷のスクランブル交差点の広告ライト見るとやりすぎです。
いったいどれだけ電気を使っているのかと問い詰めたいくらいです。
すべての明かりを消して街中を真っ暗にしたほうがいいというのではなく、見せることを目的とした無駄な照明は規制したほうがいいということです。街灯などそういうものは必要なので無くす必要はないです。
これらを規制した法律や条例はあるのか
環境省の光害対策ガイドライン。
八王子市サーチライト等の使用規制に関する条例。
鳥取県星空保全条例ではサーチライトなど投光器を原則禁止。
横須賀市サーチライト等の使用に関する条例。
岡山県美星町と群馬県高山村では美しい星空を守る光害防止条例。
探せば結構あるもんですね。しかも美星町の条例は1989年公布で昨日今日対策したわけではないというところがすごいです。光害対策を先駆けています。こういう地域は今後も増えていくと思われます。環境に優しく、星もきれい。そういう街づくりが目的ですね。
夜景は綺麗じゃなくていい、環境優先で。
世界三大夜景とか日本三大夜景とか、バッサリ言わせてもらうと光害ランキングを決めているようなもんです。
選ばれることは名誉なことではないと思います。環境問題諸々考えるとギラギラ明るく輝く夜景は地球上からなくしていくのが理想です。
夜は暗くなるのが普通です。不要な電気は消しましょう。夜ふかしをしない、電気の無駄。ライトアップや広告照明などは規制を。
都市や街から不要な光が次々なくなると夜景は綺麗ではなくなるかもしれませんが、その代わり夜空の星々は綺麗になりますよ。
そもそも夜が明るいのは普通じゃない!