海外で外来種となった日本在来種のうち15種を紹介

ブラックバス、ブルーギル、アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメ、ヒアリ・・・など多くの外来種が日本にはいて、日本固有種を脅かし生態系を破壊していると社会問題になっています。

ここだけ見ると、なぜ日本ばかり外来種の被害が・・・というイメージになるかもしれません。

日本は島国で外からの動植物の侵入が少なく、生存競争が熾烈ではないので種としてはあまり強くないため外来種に対して弱いという意見もあります。ですが、本当にそうでしょうか?

一方で、日本から出ていった日本由来の動植物が、海外で外来種として生態系を変えたり人間にとっての害虫になったり問題化しているものもあります。

紹介するのは15種の日本在来種ですが、原産国の範囲を広げれば実際はまだあります。

※原産国(もともといた国)が複数あって日本から直接運ばれたかものかわからないものもありますが、日本在来種(日本に昔からいた種)ということでまとめて紹介しています。

クサギカメムシ Halyomorpha halys

中国、日本、韓国、台湾が原産のクサギカメムシ。クサギカメムシは日本でも作物を荒らす害虫であり、カメムシを手でつまんだりして、カメムシが危険を察知すると悪臭を放つことで知られます。

2018年に日本を出港しニュージーランドへ向かった貨物船3隻からクサギカメムシが大量に見つかり、入港が拒否されたことがあります。中国からもスイスへ持ち込まれ外来種となりました。

現在はヨーロッパ、アメリカと生息域が広がっています。オーストラリアとニュージーランドはまだ定着していませんのでカメムシシーズンは特に警戒が強くなっています。

マメコガネ Japanese Beetle

日本原産種であるマメコガネは、アメリカ、カナダおよびヨーロッパで作物を食い荒らす害虫として問題となっている外来種です。

幼虫時代は草の根を食べて育ち、成虫になると植物の葉を食べあらします。

ゴマダラカミキリ Citrus long-horned beetle

ゴマダラカミキリは日本、中国、韓国や東南アジアが原産の害虫です。

ゴマダラカミキリの幼虫は樹木の幹を食い荒らし、穴だらけになった木は枯れてしまうこともあります。成虫は木の枝の樹皮や葉を食べます。

輸入植物や木製パレットから侵入し、アメリカ、カナダ、ヨーロッパで帰化し、深刻な害虫となっています。

ナミアゲハ

大型の蝶で日本ではおなじみのナミアゲハ。単なるアゲハチョウとも言われる。

日本ではナミアゲハとキアゲハで成虫の見た目がよく似ているが模様と色が若干異なる。ナミアゲハの幼虫がみかんなど柑橘類の葉を食べるのに対し、キアゲハの幼虫はニンジンなどセリ科植物の葉を食べる。また、ナミアゲハの幼虫は緑色だが、キアゲハの幼虫は緑色に黒い縞模様があります。

ナミアゲハの原産地は日本、中国南部、韓国、台湾など。

ナミアゲハがもともといなかったハワイで野生化し、その幼虫がオレンジやグレープフルーツなど柑橘類の葉を食べる害虫となっています。

ツガカサアブラムシ Hemlock woolly adelgid

ツガカサアブラムシは日本など東アジア原産でツガの木を荒らす害虫です。

カナダ食品検査庁によれば、1951年にバージニア州で最初に報告されたものは、日本の苗床から持ち込まれたと言われています。現在はアメリカ各地やカナダにまで広がっています。

ヤマトゴキブリ Japanese cockroach

ヤマトゴキブリは大型のクロゴキブリよりやや小さく体長25mmほどの日本原産のゴキブリ。上のツイッターの写真は雌(メス)で細長い。雄(オス)はメスより羽が短く、腹がはみ出していて小さい。

ヤマトゴキブリは日本固有種だが、近年は韓国、中国、ロシア、アメリカ・ニューヨークと広がっています。

ニホンジカ Sika deer

ニホンジカは奈良公園にいるあのシカです。野生にも分布します(奈良公園も野生となってはいるが)。ニホンジカは食害が問題となっています。

もともとの生息域は日本、朝鮮半島、台湾や中国の東部地域、ロシア極東など。

北アイルランドやスコットランドでは問題は深刻で侵略的外来種となっています。ニュージーランドでも侵入種となっていて有害な動物として扱われます。

ホンドタヌキ Japanese raccoon dog

ホンドタヌキはエゾタヌキとよく似ているがエゾタヌキのほうが毛がふさふさして色も淡い。しかし慣れないとよく見分けられない。アライグマともよく似ているがアライグマは眉間に黒い線が入っているのでこれはすぐに見分けが付きます。

ホンドタヌキの生息域は北海道と沖縄を除く日本全域。

現在はヨーロッパにも広がり害獣となっています。

キヒトデ Asterias amurensis

キヒトデは日本でもっとも代表的なヒトデ。

本来の生息域は日本や朝鮮半島、中国北部、ロシア極東などの北太平洋となっています。

オーストラリアでは養殖の貝を食べることで問題となっていて、世界の侵略的外来種ワースト100に入っている厄介者です。

ワカメ Wakame

ワカメは日本を含む東アジアが原産。海岸に自生する海藻で日本では一般的に食用として用いられます。

成長が早く、海外では在来の藻類の生態系を変えたり発電所の取水口をつまらせたりする厄介者として困らせています。世界の侵略的外来種ワースト100に入っています。

ワカメは船のバラスト水に混ざってヨーロッパ、カリフォルニア、メキシコやアルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、と世界中に広がっていきました。

タマハハキモク Sargassum muticum

日本沿岸に自生するホンダワラ科のタマハハキモクは海の浅い部分で岩の上から生えていて1mほどまで成長します。食べられないこともないが固くて食用として用いられてはいません。

日本からの牡蠣の輸出で一緒に絡まって海外へ運ばれたと言われています。現在はヨーロッパからアメリカまで広がっています。

タマハハキモクはときに大発生して海底を覆い尽くし、日陰を作ってプランクトンやサンゴなどに影響を及ぼしています。千切れたものは海面に浮かび、海岸へ大量に漂着します。

イタドリ Reynoutria japonica

イタドリは鳥ではありません。タデ科の植物です。原産地は日本、中国、朝鮮半島など東アジア。

イタドリは北米やヨーロッパ、ニュージーランドで侵入種として問題となっています。イタドリはあらゆるところに自生します。

イギリスでは住宅の下にイタドリの根が張り、部屋の床や壁の隙間から芽が出てきたりして大きな問題となっています。成長は早く、地中3mまで根を張るため、建物の下から生えると根絶は難しく買い手がつかなくなる状態です。世界の侵略的外来種ワースト100のひとつ。

クズ Pueraria montana var. lobata

マメ科の植物であるクズはもともとは日本や朝鮮半島、中国南東部に自生していました。

日本から持ち込まれたクズはアメリカ合衆国南東部で大増殖し、森を飲み込みました。国土の1/4まで広がっています。

クズは成長が早く、つるを伸ばし、樹木などへ巻き付いて覆い尽くし、日光を遮るなど生態系へ影響を及ぼすとして、世界の侵略的外来種ワースト100に入っています。

ススキ Miscanthus sinensis

ススキは日本及び中国、韓国など東アジアに自生するイネ科の植物。

観賞植物として海外に広まったが、ススキは成長が早く地面に日陰を作るため、アメリカやイギリスなど海外では他の在来植物の成長に影響を与える侵入種となっています。

エゾミソハギ Purple Loosestrife

日本では絶滅危惧種となっているエゾミソハギ(Purple LoosestrifeまたはLythrum salicaria)ですが、アメリカでは観賞用として持ち込まれたものが野生化して侵入種となっています。

またユーラシア原産のミソハギ Lythrum(エゾミソハギより背が低い) もアメリカでは侵入種となっている。

川岸や池周辺、湿地で育つエゾミソハギ、ミソハギはコロニーを形成し、競争力が強く一度定着すると在来種を追い出してしまい、密集した根が水の流れをせき止めてしまうということで問題となっています。

また、カットされた茎からも成長するため、刈り取りを行うと更に繁殖する可能性があります。

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