手洗いは日常誰もがやっていると思います。しかしその手洗い、本当に綺麗になっていると思いますか?
手を洗ったという行動を済ませただけで「綺麗になったつもり」になっていませんか?この記事では食品に携わる事業者や医療においての手洗いではなく、一般個人がやる日常的な手洗いについて語っていきます。
手洗いの目的。
食中毒予防
感染予防
厚生労働省によると昨年2018年の食中毒発生件数は全国で1330件、患者数1万7282人、死者数3人。発生場所の内訳は飲食店が一番多く54%、その次に家庭で12%。
飲食店という食品を扱う仕事についているところの衛生管理は一般家庭より厳しくきちんと出来ているはずだが、実際食中毒発生の半数以上が飲食店。その理由を探るのは今回の記事ではやりませんが、2番目に多いのが家庭。
食中毒は食品の保存状態や調理法の影響も大きいので、原因がすべて手洗いというわけではありませんが、食中毒を予防するという意味で、また感染予防という意味で、適切な方法での手洗いはとても重要になってきます。
手洗いが儀式に!多くの人は意味ない!
指先を数秒水に濡らして、適当に払って終わり。
これ男性に多いパターンです。特にトイレのあと。
雑菌に水分を与えただけです。
10秒程度の手洗いでも洗った直後は菌は減ります。
ただし十分に手を乾燥させていない場合、菌に水分を与えたことで菌が増殖しやすい環境へ。手にも新たな菌が付着しやすくなる。結果的に手を洗う行為が菌に餌を与えてるだけの雑菌培養イベントになっているかもしれないのです。
洗った後に蛇口を触ってまた汚れる。
手を荒う前に触った蛇口レバーやハンドルを、手を洗ってキレイにした後に触ってまた汚れ、振り出しに戻るパターン。こういうのは手洗い中にハンドルも石鹸で洗うといいです。
洗った後に使いまわしのタオルで拭いている。
これ、せっかくきれいに手を洗ったのに、最後の最後でまた汚しているというパターンです。
最後に使い回しの汚い湿気ったタオルで拭くことでタオルに付いた雑菌を丁寧に手に擦り込んでいるわけです。タオルは使いまわしたら意味ないです。洗濯後の未使用タオルか、紙タオルがオススメです。
そもそもそこまで完璧な無菌を目指すべきなのか?
家庭レベルでは無菌を目指す必要はない。
手洗いについていかに完璧に除菌しないといけないかを主張し、細かい部分まで手順を説明しているサイトは多いです。
たしかに飲食店や食品工場などの事業者ならば徹底的にやる必要はありますが、家庭などで一般個人がやる手洗いは完全無欠主義になる必要は全く無いです。
丁寧に洗いすぎることはむしろ手の表面に細かい傷が増え、雑菌が付きやすい環境になるわけです。あまりに徹底しすぎると常在菌まで減ってしまい、皮膚のトラブルに繋がります。
やりすぎた清潔は逆に不健康?
清潔過ぎる環境は免疫力を低下させる。
政府やメディアが手洗いやうがいなどがいかに大切かを示すために各種比較データや顕微鏡写真などを見せたりして訴えてくるが、それが逆に我々の不安を煽ってしまう結果となり、一定割合で過剰なバイ菌アレルギーになる人が出てきます。
ちょっとでも菌がついたら病気になる!という恐怖感。部屋のドアノブ、照明のスイッチなどを触るたびに消毒液を使って入念に手洗いするようになり、1日に100回も200回も手を洗う。こうなってくると重症です。
強迫性障害まで来ると社会生活に影響し、幸せな生活が送れなくなります。
さらに過度な清潔はむしろ免疫力を落とす結果となり、病気にかかりやすくなります。外で遊んだり動物に触れ合った子供ほど、病気やアレルギーが少なく丈夫な体の大人に育つと言われています。大人になってからも例外ではないと思います。
手洗いの目的は、食中毒予防と感染予防。神経質になりすぎて結果的に肉体面でも精神面でも不健康にならないようにしてください。
儀式になったらやるだけ無駄。洗うとは綺麗にすること。
指先をちょっと濡らして、手を降ってパパッと水を払って拭き取らず、はい終了。
手洗いをしたか、してないか、という二通りの単語的な結果だけにこだわり、それだけで終わっている人。
手洗いは手を綺麗にし、食中毒や感染を予防するのが目的であり、洗ったという行為に満足する儀式ではないのです。たとえ手洗いが習慣となっていてもそれでは意味がありません。
洗うなら基本的なポイントくらいはおさえ、手を綺麗にする。あまり神経質に洗う必要はないですがポイントはしっかり。
手洗いのポイントだけはおさえよう。
基本的な洗い方は厚生省のページでも見て下さい。
手洗いのポイントを私なりに上げるとすれば
指の間、爪の間は洗い残しが起きやすい。
洗った後は手についた水分を除去する。
タオルはなるだけ洗濯したてのものを使う。
完璧にやる必要はないと思うんですよ。
どこまで丁寧に洗うか、二度洗いするべきか、拭き上げたあとに仕上げにアルコール消毒までやるべきかは状況次第だと私は考えます。なにか作業をして汚れたとき、あるいはこれから食事を作ろうとする時、そういうときは入念に洗う必要があると思います。
ですが日常の手洗い全てにおいて僅かな隙間も逃さないレベルのキメ細かいこすり方や、二度洗い、さらには仕上げのアルコール消毒までが必要だとは私は思いません。
私の場合は、例えばバイクの整備などをしてオイルやカーボンなどで手が真っ黒に汚れたときは石鹸だけではきれいに取れないので食器用洗剤を使い爪の間を歯ブラシで徹底して洗っています。
ただ、普段の手洗い時はそこまで念入りにはやりません。
この記事で言いたかったこと。
手洗いは儀式ではない。
洗ったあと濡れたままにしない。
完全無欠の無菌を目指す必要はない。