「ジョギングとランニングの違いがわからない。」
という質問に対し、
「ジョギングはゆっくり走るもので、ランニングは速く走るものです。」
と返答する場面をよく目にします。
ネットを見る限りこういう解釈が一般的のようです。
しかし英語版wikiや海外の辞書で調べるとどうも違う。
そもそもジョギングとランニングを走る速度で分けるのは誰が決めたのでしょうか?そういう定義があるのか、それとも日本固有の解釈か、あるいは世間一般で勝手に広まった解釈なのか。
そもそもジョギングもランニングももとは英語。では海外ではどういう意味になっているか調べます。
辞書での意味
まずはDictionary.comで調べてみましょう。
ジョギング
running at a slow regular pace usually over a long distance as part of an exercise routine
Source: jogging – Dictionary.com
つまり「ジョギングとはゆっくりとしたランニングのこと」。
ランニング
the act of a person, animal, or thing that runs.
Source: running ー Dictionary.com
つまり「ランニングとは走る行為のこと」。
これは短距離、中距離、長距離と全て含まれた「走る」という総合的な広い意味合いがランニングであり、ジョギングもこれに含まれる。つまりジョギングとはランニングの一種であると言ったもの。
ちなみに英語版ウィキペディでは、「ジョギングはゆっくりと歩く、またはゆっくりと走ること」と書かれています。
陸上競技用語集(JAAF)では
ジョギングとランニング、陸上競技の世界ではどういう意味になっているのでしょうか?
●ジョグ
出典: 陸上競技用語集 ー 公益財団法人 日本陸上競技連盟(pdf形式)
もともとは「ゆっくり歩く」という意味だが、ゆっくり
走ることを指し「ジョギング」ともいう。
陸上競技用語集では、ゆっくり歩く、またはゆっくり走ることがジョギングということです。
もともとはゆっくり歩くという意味がジョグであったようです。ジョギングは本来は走る行為を意味しなかった。つまりもともとは走る行為がランニング、ゆっくり歩くことがジョギングであったということです。
●ランナー
出典: 陸上競技用語集 ー 公益財団法人 日本陸上競技連盟(pdf形式)
走種目の競技者のこと。特に、中距離・長距離の競技
者を指して使われることが多い。
陸上競技用語集ではランニングの項目がありません。ランナーをトラック中長距離(またはロード)選手のことを指しています。
ジョグギングのペースは?
私自身、もと陸上部で中長距離をやっていましたが、個人的な解釈でいいますと、ジョギングのペースは走りながら会話できるような呼吸が楽な状態で長時間続けられるペースであると思います。
つまりこれは人それぞれであり、その人の走力によって違います。
キロ6分ペースが楽な人はそのペースはジョギングですし、キロ4分で走り続けても呼吸が乱れず余裕という人はそのペースでもジョギングです。
ただ多くのジョギングコースで走っている多くのジョガーを見る限りは、ほとんどの人はジョギングではなく全力走に近いです。多くのジョガーはペースが速すぎる(負荷かけすぎ)と思います。
結論
ジョギングの本来の意味は「ゆっくり歩くこと」だったことが分かりました。
これが本来の意味。しかし現在では少し変わりました。
現在ではゆっくり走るという意味でもジョギングが使われるようになったということ。むしろその意味が全てになり、歩くという意味合いはほとんどなくなりました。
そういう経緯でどちらも走るという意味の中で、ジョギングとランニングを切り離して別の意味で使うようになったのかも知れません。
しかしジョギングをゆっくり走るという意味のみで使うならば、これはランニングの一種ということになります。
論点は、ジョギングとランニングの違いは?ということですが、
ジョギング=ランニングなのか?
あるいは
ジョギング=ゆっくり走る、ランニング=速く走ることなのか?
どっちが正解なのかというと、ジョギングを走る行為として指しているならば、現代では前者が正解ということになります。
しかし海外でもランニング系のサイトでは、ジョギングはゆっくりしたペースで走ること、ランニングは速めのペースで走ることと分けて定義しているところが多い。これは日本も同じ。
本来言葉とは「意」を使えることが目的なので、多くの人が、「ジョギングは走る行為だが、ランニングとは違う」として解釈しているのならば、それも正解だと思います。