私が乗っているスズキのアドレスV125Sのエアクリーナーエレメント(エアフィルター)はウレタンフォームのスポンジにオイルを浸した湿式タイプが装着されています。
これは汚れても灯油やエアーフィルタークリーナーで洗浄し、再度オイルを塗布することで再利用できます。しかし永久に再利用できるというものではなく、定期的にスポンジごと交換しないと大変なことになります。
この湿式エアクリーナーエレメント(エアフィルター)の定期交換について書いていきます。
エアクリーナーエレメントは主に3種類
エアクリーナーエレメントには乾式タイプや湿式タイプ、またはビスカス式というものがあり、アドレスV125Sに使われているのは湿式タイプ。
乾式タイプというのはスポンジや紙のフィルターにオイルが塗布されていない状態のもの。近年は標準で装備されることはほとんどなくなったが、カスタムパーツで今でも見ることができる。汚れたらエアガンで埃を吹き飛ばして再利用できる。
湿式タイプはスポンジタイプのフィルターに吸着力の強い専用オイルを塗布したもの。汚れたら灯油などで洗ってオイルを塗布すれば再利用できる。スズキのスクーターに多い。
ビスカス式タイプは紙にオイルを染み込ませたフィルター。近年のバイクはビスカス式が主流。しかし洗って再利用することはできない。汚れたら交換である。
湿式タイプはスポンジの劣化に注意
アドレスV125GやV125Sにはウレタンフォームのスポンジにオイルを染み込ませた湿式フィルターが使われています。おおよそ1万kmを目安に洗浄しますが、スポンジそのものも劣化していき、最後は粉のように崩れてエンジンに吸い込まれていきます。
下のツイートでもスポンジが恐ろしいことになっています。「乾式であれば溶けない気がする」と書いてありますが、実際は加水分解するので経年で同じようにボロボロと崩れることになります。
ちなみに下の写真は7年半経過した純正のウレタンフォームのフィルターです。指でちょっとなぞったらスポンジがボロボロと崩れていきました。汚れている部分が特に崩れやすかった。
こういう劣化はヘルメットのスポンジでも同様に起こったことがあります。ヘルメットからスポンジが粉のように崩れてきました。やはり8年くらい経過したときです。加水分解によるものです。
他のブログなどをいくつか見ると、やはり10年くらいでスポンジがエンジンに吸い込まれて消えてしまっているようです。
ゆえに、見た目変化がなくてもおおよそ4年以内を目安に交換をしたほうがいいと思います。もともとフィルターそのものがV125Sの純正フィルター(13781-33G20)でも税込み1,540円(2022年4月7日時点)ですので、洗浄せずに毎回買い直して交換してもいいかも知れません。
ちなみに純正は最初からオイルが塗布されていますのでそのまま取り付けることができます。
キタコ エアークリーナーエレメントへ交換した
私のアドレスはあまり走っていなかったため油断していたら交換から7年半も経過していました。エアクリーナーボックスを開けるとこんな感じでした。
汚れはそこまでひどくはありませんが指でちょっとなぞるとボロボロ破れます。そこで急遽Amazonでキタコ製のエアクリーナーエレメント(エアフィルター)を購入。税込み1,152円だった(2022年4月2日時点)。純正より400円安かったのはオイル塗布されていないせいかな?
ちなみにキタコのフィルターはオイルが塗布されていませんでした。
そこでワコーズのエアフィルターオイルをスプレーしました。赤い色のオイルで非常に粘りがあり、触ると納豆のように糸を引きます。スプレーなのでまんべんなく吹き付けられます。ちなみにこのワコーズのオイルは現在販売終了しています。
エンジンオイルで代用する人も多いですが、粘り気が少ないので吸着力は低いです。粘り気がない分、エンジン内に多少オイルが吸い込まれる可能性もあります。
ちなみに純正に塗布されているオイルもフィルター専用のもので、触ると糸を引きます。純正に塗布されているのは青いオイル。エンジンオイルでは糸を引きません(※エンジンオイルではダメというわけではないです。)
今回は交換でしたが、汚れたエアフィルターを洗う場合は灯油でもいいですが灯油だと洗ったあとの処分に困るので専用のクリーナーがおすすめです。フィルターにかけてモミモミ洗って水で洗い流すだけです。
塗布するオイルはエンジンオイルでもいいですがやはり専用のものが粘り気があり吸着力は強いです。ワコーズのエアフィルターオイルは販売終了しているので別の代用商品リンクを貼ります。
取り付けました。吹き付けたあと商品が入ったビニール内でみもみして染み込ませた。あとは時間とともに更になじんでいくでしょう。
次からは早めに交換しようと思います。ちなみにスポンジがエンジンに吸い込まれたらどうなるか?壊れるのか?といいうと吸い込んでしまったバイクも普通に走っているようです。
しかしエンジン内部で燃えて解けてタールのようにこびりついているかも知れません。エンジン外部へ出ていったとしてもマフラーの触媒をつまられる原因にもなると思います。フィルターが加水分解で崩れる目安は8-10年あたりではないかと思います。そうなる前に早めの交換がおすすめです。
オイルが最初から塗布されているほうがいいなら純正パーツがおすすめです。アドレスV125S用のエアクリーナーエレメントの部品番号は「13781-33G20」で税込み1,540円。通販だとウェビックで注文できます。