2021年から変わるルールがあります。
これらは各省庁のウェブサイトを普通に閲覧してもたいていは気が付きません。一体何が変わっていくのかあちこちウェブサイトを飛び回って探し回るのはとても大変です。
施行が近づいてくるとメディアがニュースにしますが、前もって1年分を知っておくと頭の中が整理しやすくなります。
そこで2021年から変わることを集めて簡単にまとめました。
詳しい内容は各省庁のリンクを用意していますのでそちらを参照してください。
ただしこの記事で、2021年に変更があるルールを全て紹介しているわけではありません。
税制改正
2021年(令和3年)に行う確定申告の控除に関係する改正です。
- 給与所得控除額が一律10万円引き下げ
- 青色申告特別控除・基礎控除額の変更
- 所得金額調整控除が創設
- 各種所得控除を受けるための扶養親族などの合計所得金額要件等の見直し
- 未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し
源泉所得税改正のあらまし 令和元年5月(pdf) – 国税庁
源泉所得税の改正のあらまし 令和2年4月(pdf) ー 国税庁
令和2年分の所得税確定申告から青色申告特別控除額・基礎控除額が変わります!! ー 国税庁
令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用条件が変わります ー 国税庁
雇用保険法等の一部を改正する法律
雇用保険法等の一部を改正する法律で以下のことが2021年4月より変わります。
- 65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置で70歳までの就業を支援
- 雇用保険制度で65ー70歳までの高年齢者就業確保措置の導入等に対する支援
- 大企業に対し、中途採用比率の公表を義務化
- 雇用保険二事業に係る弾力条項について、更に0.5/1000引き下げられるようにする
改正高年齢者雇用安定法については、定年を70歳まで引き上げ義務化というわけではなく、企業の努力義務ということです。
改正建築物省エネ法の施行
2021年4月1日から改正建築物省エネ法が施行。
- 中規模のオフィスビル等の基準適合義務の対象への追加
- 戸建住宅等の設計者から建築主への説明義務制度の創設
- 地方公共団体の条例による省エネ基準の強化
改正建築物省エネ法が令和3年4月1日から施行されます ー国土交通省
温室効果ガス排出量の削減を目的として、ビルや住宅の省エネ化を目指していこうということです。
子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得可能に
2021年1月1日より改正育児・介護休業法が施行され、子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得可能になります。
- 時間単位で習得可能に
- 全ての労働者が習得可能に
子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得できるようになります! – 厚生労働省
障害者の法定雇用率引き上げ
2021年3月1日より障害者の法定雇用率が引き上げになります。
従業員43.5人以上の事業主は障害者を雇用する義務があり、その法定雇用率がわすかながら上げられます。
- 対象事業主45.5人以上→43.5人以上へ
- 民間企業2.2%以上→2.3%以上へ
- 国、地方公共団体等2.5%以上→2.6%以上へ
- 都道府県等の教育委員会2.4%以上→2.5%以上へ
改正医薬品医療機器等法
患者が安心して医薬品を使うことが出来る環境の整備するための制度の見直しというのが改正医薬品医療機器等法。
2020年9月1日より段階的に施行されていますが、2021年8月1日より施行される項目を紹介します。
- 計画に従った医薬品及び再生医療等製品の製造方法等の変更を、承認制から届出制に見直し。
- 添付文書の電子的な方法による提供の原則化
- 機能別の薬局の知事認定制度(名称独占)を導入
- 許可等業者に対する法令遵守体制の整備の義務付け
- 虚偽・誇大広告による医薬品等の販売に対する課徴金制度の創設
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)の概要(PDF) ー 厚生労働省
改正電離放射線障害防止規則の施行
事業者向けの改正ですが、2021年4月1日から改正電離放射線障害防止規則が施行され、より厳しくなります。
- 放射線業務従事者の眼の水晶体に受ける等価線量の限度の引き下げ
- 線量の測定および算定方法の一部変更
- 線量の測定結果の算定・記録・保存期間の追加
- 電離放射線健康診断結果報告書様式の項目の一部変更
- 放射線業務従事者の眼の水晶体に受ける等価線量の限度の引き下げに関する経過措置
令和3年4月1日から、「改正電離放射線障害防止規則」が施行されます(pdf) ー 厚生労働省
最後に
あらましこんな感じです。
これ以外でも変更があるルールはあると思いますので、普段からニュースなどチェックするようにしておきましょう。
各省庁のサイトもチェックと言いたいところですが、トップページへアクセスしても2021年からの法改正についてどこからも探せず、これを見つけることは至難です。
この記事を作って感じたことは、2021年から変わるルールを探すことが非常に大変だったということ。検索をかけても断片的にしか見つからない。本当はこういうのは省庁のサイトにまとめて作っておくべきだと思います。
法改正というのは大切なことなんです。認知度を上げることが重要です。事業者向けの改正は事業主へは前もって改正について通知を回していくのでしょうが、事業者ではない人でも日本で何がどう変化していくのか知りたいし、法改正はこっそり変わっても意味がない。
省庁のサイトは、2021年から変わる法改正をまとめたわかりやすいページを作り、トップページへリンクボタンを用意して目立つようにアピールして欲しいと思います。でないと国民は知るべきことを知ることが出来ないです。