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スマホ写真が一眼レフに匹敵?無理無理!画質は絶望的な差がある

「スマホの進化で一眼レフに匹敵する画質」なんていう言葉を耳にしたので反論するための記事です。

私はデジカメ自体、最初のブームである1996年の35万画素時代からずっと見続けてきました。富士のDS-7が私の最初のデジカメです。私はデジカメの歴史を見てきたのでいいとこ悪いところすべて知りつくしているつもりです。

フィルムスキャナー歴も2台あります。もともと私はフィルムカメラが好きでリバーサルフィルム(ポジフィルムとも言われる)で写真を撮っていました。

ざっくり画質のランキングを付けるとこうなります。

  1. 35mmリバーサルフィルム+業務用ドラムスキャナー+印刷
  2. デジイチ+RAW撮影+現像
  3. デジイチ+JPEG撮影+レタッチ
  4. 35mmリバーサルフィルム+フィルムスキャナー
  5. コンデジ+JPEG撮影
  6. スマホ

まあ一番目はデジタルデータではないですが。

写真の無料素材サイトであるフォトACでもスマホ画像は多くアップされていますが、解像力云々を抜きにしても画質は総じて色が浅く(色の濃さではなく色情報が少ない)、全体的にかぶりを起こしていてレタッチでも補正できない状態です。回折現象の影響なのかコントラストも悪いです。

つまり小さな画像でもやはりスマホ画質なのです。

この記事ではスマホはデジイチには遥かに及ばない理由を熱弁します。

記事内でデジイチの写真を載せているが、なるだけ発色がよくカラーバランス・コントラスト・明るさ調整もしてあるモニタで見ることをおすすめします。

デジイチの凄さは解像力だけではない!

意外と分かっていない人は多いですが、大型センサーを搭載したデジタル一眼レフ・ミラーレス一眼の凄さは解像力だけではありません。

言ってしまえば公称スペック的な解像力はスマホでも1億画素を超えるものがあり、デジイチは2000万画素から4000万画素くらいで、負けています。ただ、きちんと解像しているかは別問題で、スマホの場合はディティールが潰れ、補間拡大画像のような感じです。

なぜこれが起きるかと言うと、スマホの1/3インチという小さなセンサーのせいです。これに多くの画素を詰め込んでいるのでレンズ解像度(レンズにも解像度がある)が追いつきません。

このせいで回折現象が影響します。これは「小絞りボケ」と言われるもので、ぼやけてコントラストが低くなる現象です。本来これは絞ったときに起きる現象ですが、画素ピッチが狭いカメラではレンズ開放値からでもすでに影響しています。

さらに画素サイズが小さい影響で、画像ノイズが多く発生します。これも解像力を落とします。

これらをごまかすために画像エンジン側で「ノイズリダクション」と「輪郭強調」や「コントラスト補正」などをかけています。これも度が過ぎると画像はめちゃくちゃに。

ノイズリダクションそのものはすでに1/2.7サイズセンサーのコンデジが200-600万画素時代あたりから搭載されはじめ、この影響でノイズはほぼ解消しますが代わりに解像力が落ちます。細部が溶けて滲んだ水彩画のように不自然な描写になります。

この解像力の落ちをごまかすために輪郭強調や太めのシャープネスをかけています。回折現象もそれでごまかしています。このフィルターは解像力を上げません。輪郭に明暗差をつけて視覚的に上がったように見えるだけです。

こうやって画素数が増えるたびに補正量がどんどん顕著になっていきました。

つまりコンデジやスマホは画質的にはすでにギトギトに破綻していて、ここからレタッチ補正をする余裕はもうありません。カツカツ状態です。対して大型センサーで画素サイズの大きなデジイチはそういったフィルターも穏やかであり、本来の画質が残っています。

ただデジイチも昔よりは画素サイズが小さく厳しい状態で画質は劣化している。

解像力だけではない、色再現も差が出る

スマホはまるで昔で言う補色CCDのように発色が悪く、浅い色で色情報が少ない描写。

例えるなら白黒写真を手作業で色付けしてカラー化した感じ。これを無理やり彩度を上げると不自然なベターッとした色になってしまいます。

写真が綺麗と言われるiPhone13でも例外じゃないです。iPhone13のサンプルも多く見ましたが、空の色は色相が明らかにずれたように不自然でおかしな色です。木の葉の緑も緑々しさがなく黄緑に色相がずれています。画像はピーキーでハイライトは飛びまくっています。

またスマホは総じて明るめの露出になることが多く、色ののりは悪い。かと言ってアンダー目に撮影するとスマホの極小ピッチセンサーでは盛大なノイズが発生。それを消すためのノイズリダクションで解像力が大きく落ちてしまう。

スマホでは色がしっかり乗ってヌケの良い透き通った写真というのはとても厳しい状態です。

これがデジイチになるとややアンダー目に撮影することでしっかりと色が乗ります。アンダー側の描写もしっかりと描かれているのが特徴です。

レンズが豊富なので表現力が違う

デジイチは豊富なレンズで多様な撮影が可能です。

スマホは最近は超広角が流行っているようですが、望遠側は相変わらず苦手です。

デジイチは大抵は24-105mm相当くらいの広角ズーム1本で間に合い、2本目という場合は望遠ズームというのが一般的です。

デジイチの本当の凄さを楽しむには単焦点レンズというのも一つの方法です。単焦点レンズはズームよりも明るく、そしてシャープでヌケの良い描写をします。明るいレンズはしっかりとAFが効きます。歪曲収差も極めて少なく良好に補正され、1.5段絞れば周辺部までシャープになります。

物撮りをするならばマクロレンズ。

広大な風景を撮るならフィシュアイレンズ。

人物を撮るなら中望遠レンズ。

野鳥、日の出や月などを撮るなら超望遠レンズ。

現在のスマホでは厳しいと思うのが、運動会などで個人をアップした撮影。星空や月面の撮影、野鳥の撮影。また小物など物撮りでも大きな差がでます。

星空を撮影できるスマホもありますが、ノイズの差で大きな差が付きます。

また、デジイチはレンズのリングを回して手動でフォーカスを合わせることが可能です。コントラスト比がない被写体でAFがうまく働かない場合などに役に立ちます。

デジイチのサンプル

すべて自分で撮影したものです。この写真がある旅行記のブログは私のブログです。一部はフォトACにもアップしてあります。使用カメラはキヤノンのKISSデジタルX(APS-Cサイズセンサーの1000万画素)です。

最近のデジイチより画素サイズが大きいので今となっては貴重なカメラです。

色がいい

デジイチだと別にRAW撮影しなくても、JPEGモードでカスタム設定だけでもこれだけの写真が撮れます。しっかりと色がのってくれるのが特徴です。

ボケが綺麗

最近はスマホもソフトウェアで背景をぼかす事ができますが、やはりデジイチのボケは自然です。画像のコントラストも高い。

望遠に強い

下は中望遠ですがこれでもスマホでは厳しいです。中には中望遠レンズのあるスマホもありますが、大抵は広角レンズからトリミングして補間拡大したデジタルズームです。ゆえに画像は荒くなります。

対して一眼レフは光学ズームや光学中望遠レンズですので緻密な描写のまま望遠写真が撮れます。

例えばスイス旅行でマッターホルンの朝焼けを撮ろうと思ったら標準から中望遠レンズが理想です。広角レンズでは山が小さくなってしまいます。

雪が白飛びしないように露出アンダー目で撮影。
こちらも同じく光があたった部分が白飛びしないようにディティールを残して撮影。

夜景に強い

デジイチはシャッタースピード30秒などの長時間露光が可能です。星空など、三脚使えば低感度で高画質な写真が撮れます。また、高感度で手撮りでももスマホよりずっと低ノイズで、ディティールがしっかり描かれます。特に差が出るのは暗部のディティールです。

ホテルベランダの手すりを利用してスローシャッターで撮影。

太陽に光芒が出る

偶数の6枚絞りレンズなので6本の光芒が見える。

太陽を撮影したときに、デジイチは光芒が出ます。光芒は眩しい光の雰囲気を出してくれます。

これはレンズの絞り羽根によるものです。スマホではこれがありません。この光芒はフィルター加工で可能ですが、やはり自然にできたものは全然違います。太陽光が降り注ぐ躍動感が伝わります。

スマホが勝てない理由のまとめ

スマホのカメラがデジイチの画質に及ばない点は

  • 同じ画素数でも描写密度で劣る。
  • 暗部の描写が潰れやすい。
  • 発色が悪い(色が浅く深みがない、不自然)。
  • 望遠側が弱い。
  • 撮影の詳細な設定ができない。

まとめるとこんな感じです。細かく言うとまだまだありますが。デジイチに匹敵するなんて言葉は100年早いと思います。

特にコントラストや発色については、元の画像に情報がないと、どれだけ画像エンジンが優秀だろうが、あとからいくらレタッチしようが限界があります。

要するに色情報やダイナミックレンジの情報量に大きな差があるので、縮小サイズであろうがスマホはスマホクオリティです。

おすすめのデジイチは?

おすすめのデジイチ、デジタル一眼レフとミラーレスデジタル一眼がありますが、ミラーショックによるブレのリスクも少ないミラーレスがおすすめかもしれません。

デジイチと言っても私はKISSデジタルXをまだ使っていますが、これも初期設定では癖がある描写で赤っぽい渋い色になりますのでカスタム設定で色合いやホワイトバランスを調整しています。

最近のデジカメも傾向があり、初期設定では色の飽和を防止するために緑の彩度を過度に下げてあったり、赤だけ色相がずれていたり、癖のあるものがほとんどです。細部描写なども最近は不自然で画質は昔のデジイチより悪いです。

RAWで撮影して現像すればだいたいイメージ通りに仕上がりますが、JPEG撮って出しだと設定の調整ために何度も撮り比べを行わないといけません。

しかし中にはいい色を出してくれる機種もあります。それは富士フィルムXT-4とキヤノンR6です(予算があればR5もあり)。

富士フィルムX-T4

まずは富士フィルムのX-T4です。センサーサイズがAPS-Cの2610万画素でミラーレスタイプになります。ボディ価格は、価格.comの最安値で17万1000円(2021年10月22日時点)。

ただ、フジを選ぶということはレンズの選択肢が少ないことを覚悟しないといけません。富士フィルムのレンズは描写は素晴らしいですが種類は少ないです。

X-T4の良さは発色。フジの色は色合い的に黄色の要素がしっかり含まれているのでやや温かみのある色になります。特に青空や草木の緑が綺麗に再現されます。

例えば大人気のソニーのα-7Ⅲとは全く別の色です。ソニーは赤と青が強く黄色の要素が少ない。やや渋めの色です。XーT4はカラーモードも多く、それ以外にも設定でチューニングできますので自分が望む色が見つかるでしょう。

色が綺麗ということは小さな画像にサイス変更しても綺麗だということです。

解像的なものは、木々の小枝や葉っぱが小さく密集したような部分はやや癖がある解像感になります。これは画像エンジンによるものでしょう。

詳しくは下のDPREVIEWのサイトを見るといいでしょう。サンプルも豊富にあります。

キヤノンR6

絶対的なオススメなのがキヤノンR6。フルサイズセンサーの2010万画素のミラーレスタイプ。ボディ価格は価格.comの最安値で29万9,349円(’2021年10月22日時点)と高いです。

キヤノンはR5とR6が出る前まではDIGICのチューニングがキヤノン特有である太いシャープネスのせいで解像感が失われていて私の評価は低かったです。

ところが画像エンジンがDIGIC Xになって大化けしました。以前のDIGICでは太い線の大雑把な描写だったのが、線が細い緻密な描写に変化しました。また色再現も葉っぱの緑がくすまず新鮮な緑として再現されています。色再現力も昔のような発色のクセが消えています

青空と緑が入るような風景写真では大きなメリットになるでしょう。

キヤノンR6はDPREVIEWのサイトが参考になります。

上2つが高いなら、X-T30

ミラーレスは定番大人気ソニーのα7-Ⅲではなく、オススメはあえてXT-4とR6にしました。

やはりJPEGの色再現力です。ここが素晴らしい。制作陣の画像エンジンのチューニングがよく出来た成果だと思います。もちろんα7-Ⅲでも設定でカスタムすれば渋い色は解消されるでしょうし、RAWモード前提ならイメージ通りの色が出るでしょう。

「いやいやその前に17万とか30万とかそんな高いお金出せん!」という人がほとんどでしょう。その場合は富士フィルムのX-T30がおすすめです。こちらは価格.com最安値が7万1,800円(2021年10月22日時点)。7万だとスマホくらいの値段です(ただしレンズは別売り)。

DPREVIEWのサイトが参考になります。

センサーと画像エンジンが同じなので画質はX-T4と同じです。ただし使い勝手の部分(手ブレ補正やファインダー倍率、防塵・防滴)などで大きく劣ります。

ちなみに2021年11月に新型のX-T30Ⅱが発売されます。

最後に

基本的にデジイチの画像はきちんとカメラ設定をし、また撮影後のレタッチをして本領を発揮します。初心者がやりがちなのはシャープネスをかけ過ぎたり、彩度を上げすぎたりすることです。そうなると不自然な写真になります。

また、デジイチは基本アンダー露出(暗めに撮る)がきれいな絵が取れます。もちろん例外もありますが。

アンダー露出は撮影後でもアプリでレタッチで補正ができますが、オーバー露出(明るい)は情報が消えた部分はアンダー側に補正できません。情報がたくさん入っているのはアンダーな方です。

しかしこの補正ができるのは画素サイズの大きなデジイチだけです。スマホのアンダー画像は描写が潰れているので情報がありません。

長々と熱弁しましたが、どれだけフィルターをかけようが、小さくリサイズした画像だろうがスマホはデジイチには匹敵しません。

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