毎日どこでも見かける歩きスマホ。
全国各地で歩きスマホによるヒヤリハットやトラブル、事故が後を絶ちません。
自動車や自動二輪、自転車のながらスマホは法律で禁止になっていますが、歩きスマホに関しては京都府など条例で禁止になっている地域はあるものの、法律による規制はないようです。
法律で規制すべきか。この問題を考えていきましょう。
歩きスマホの現状
歩きスマホというと、もうあちこちで溢れています。どこでも見られる風景です。本当に多い。
NTTドコモのモバイル社会研究所の2018年調査によれば
歩きスマホをする理由は
- 必要だから 58%
- きりのいいところまでやりたいから 17%
- 周りを巻き込む危険性がないから 8%
- 自分にとって危険がなさそうだから 6%
- 楽しいから 5%
- みんながやっている 3%
- その他 2%
歩きスマホで何をしているかというと
- LINE 45%
- 乗り換え案内情報の検索 45%
- 目的地の地図あるいはナビ 38%
- メール 33%
- ニュース・天気 22%
- Facebook、Twitter、Instagram 16%
- ゲーム 15%
- 動画の視聴 7%
- 漫画の閲覧 3%
- その他 4%
危険な経験
- 物にぶつかった 29.4%
- 人にぶつかった 18.9%
- 転んだ 4.2%
- 上記経験無し 53.9%
出典:NTTドコモ・モバイル社会研究所 「スマホのセキュリティ・マナー向上の検討No.4」
海外では歩きスマホしてる人のことを「スマートフォンゾンビ」と呼ばれるなど皮肉も込められているようです。
たしかに傍から見るとすごい光景です。何かに取り憑かれているようにしか見えないです。LINEでチャットやってるのか知りませんがそこまで四六時中1分1秒さえいかなる時も画面を見続けないといけないんでしょうか?
歩いてるときくらいしまえばいいと思います。どうしても今使わないといけないなら邪魔にならない安全な位置で立ち止まって扱えばいいのです。
歩きスマホの危険性
画面を注視するために前方不注意のまま歩くことに。
赤信号なのにそのまま渡っていったり、人と接触したり、駅のホームから転落、池などに転落、工事中の穴に転落、と本人はスマホに夢中で全く気が付かないまま事故を起こしてしまう危険リスクを伴います。
健常者は正面から歩きスマホで突っ込んでくる人を避けられますが、白杖を使い点字ブロックを頼りに歩いてる視覚障害者は避けることが出来ません。
もし歩きスマホで視覚障害者を転倒させて怪我でもさせてしまえば過失傷害罪になり、被害者からは損害賠償を請求される可能性もあります。
歩きスマホをすると
- 極端に視野が狭くなる
- いざという時、反応が遅れる
これが原因で
- 人や自転車などと接触するリスク
- 障害物などに気が付かないまま直進してしまう
- 信号無視や踏み切りでの危険性
過去の事故例
- 2013年05月 東京都新宿区JR四ツ谷駅で小学生が携帯電話を操作しながらホームへ転落し怪我。
- 2013年08月 名古屋市市営地下鉄の名城線平安通駅で酒に酔って歩きスマホしていた女性がホームから転落し、怪我。
- 2013年10月16日 東京都板橋区の踏切で男性が携帯電話を操作しながら遮断器の隙間を抜けて踏切へ侵入。列車にはねられ死亡。
- 2014年10月30日 名古屋市の地下鉄鶴舞線御器所駅で歩きスマホしていた中学生がホームから転落。列車が来たが中学生はホームの隙間に逃げ込んで無事だった。
- 2016年05月 東京都品川区の東京臨海高速鉄道りんかい線の駅でスマホに夢中になっていた女性がホームから転落。電車にはねられ死亡。
- 2017年07月 兵庫県川西市の阪急川西能勢口駅で歩きスマホしていた男性がホームへ転落。這い上がって無事だった。
- 2018年02月05日 東京メトロ半蔵門線、水天宮駅で男性がスマホを持ったままホームへ転落、隙間へ逃げ込んで列車から避難。その後駅員が救助。
- 2018年07月19日 JR東海道線の東静岡駅で中学3年の男子生徒がスマートフォン片手にホームの端を歩いて足を踏み外し、電車とホームの間に挟まれ 死亡。
海外の歩きスマホ規制
- 2012年より アメリカ、ニュージャージー州フォートリー、歩きスマホ禁止条例 違反すると85ドルの罰金。
- 2017年より ハワイ・ホノルル、道路横断しながら画面を見ることを禁止する条例。違反すると最高で99ドルの罰金。
- 2019年より 中国浙江省温州市、歩きスマホで道路横断すると温州市文明行為促進条例により10元の罰金。
- 2019年、アメリカ、ニューヨーク州市議会でも歩きスマホ横断禁止条例案が提出。
う~~~ん思ったよりも少ないですね。条例導入の例はあっても法律で規制した国ではまだないのが現状でしょうか。
法律で全国一律禁止にすべきか
歩きスマホをやめよう!と呼びかける啓発活動は警視庁・各鉄道会社・自治体など全国各地で活発に行われている
が、
歩きスマホは減る気配さえない
歩きスマホは一見速度がゆるいのでぶつかっても大きな怪我はしないように考えがちです。
しかし人が多い公共の場では前からも右からも左からも雨あられのように歩きスマホが突進してきて(これが現実)、もうどこから突っ込んでくるかわからないような状態。
駅構内や歩道さえ安心して歩けず事故遭遇率が極めて高いものであると私は認識していますし、危険性をここまで言ってもわからない人は法で規制して取り締まるしかないように思うのです。
彼らにしてみると、危険性はわかっているけどやめられない、皆でやれば怖くない、もはや怖いもの知らずの感覚かもしれません。現状の対策では改善は期待できないのは明らか。条例で禁止してる地域はあれど、現状では法規制がなく、
条例がない地域では事実上歩きスマホが合法
になっているというのも変な話だと思うのです。
規制はやりすぎ、法規制しても効果はない、と訴える人もいますが、 歩きスマホはそんなのんきな問題ではないです。
人と接触する事故などを軽微な問題に考えているかもしれませんが、ここまで多いと流石に怖すぎますし、ぶつかった相手が高齢者だと転倒で頭を打って死亡することだってあります。
今現状では歩きスマホが起因する事故は起き続けているし永久に変わっていかないでしょう。安全を最優先するなら法規制して取り締まり排除する以外にもう方法はないように思うのです。
電気通信事業者の歩きスマホ対策
・歩きスマホを防止できる
スマートフォンを見ながら歩くと、歩行中であることを検知し、警告画面を表示します。スマートフォン・タブレットにおいて2021年9月30日でサービス終了
出典:あんしんモード -NTTドコモ
やめましょう、歩きスマホ。
スマートフォンを見つめながら歩くこと(歩きスマホ)による事故やけがの防止、マナー向上のためのアプリケーションです。
歩きスマホを検知すると、警告画面を表示してお知らせします。警告画面は歩行停止を検知すると、自動的に消えます。2021年2月28日でサービス終了
出典: 歩きスマホ注意アプリ -KDDI au
危険な歩きながらのスマホ操作を防止する
歩きながらのスマートフォン操作を検知すると、画面に注意メッセージを表示して危険をお知らせします。2020年9月30日でサービス終了
出典: STOP歩きスマホ -SoftBank
歩きスマホ対策アプリは各社終わったようです。
しかし、新しいAndroid 12では「Heads Up」という、歩きスマホを注意する機能が導入されるようです。
最後に私がいいたいこと
今のままでは歩きスマホの事故は起き続けます。
これだけ啓発活動をやっているのに歩きスマホは減るどころか増えている印象さえあります。そしてその数が本当に多い。これだけ多いと流石に怖い。
自動車や自転車は、ながらスマホが道交法で禁止になっていますが、歩きスマホは法律による規制がありません。速度がゆるい分、車や自転車ほどは危険性がないという考えでしょうか。
しかし現実、駅のホームから転落したり事故が多発していて、その後も歩きスマホは減る気配がない、にもかかわらず現状の対策のままでは一行に事故は減りません。
規制はやりすぎという声も多くあるが、現実死者が定期的に出ていてまるで改善の傾向がないのに、そんな呑気なこと言ってられないでしょう。右も左も見渡す限り歩きスマホ。ここまで多いと本当に手に負えない怖さです。
啓発活動などやってもまるで効き目がない人があまりに多すぎる以上、もう法整備して全国で禁止にし、取り締まるしかないと思います。
最後に
歩くときはちゃんと前見て!