黄色い実線が中央線となっているときは、双方向とも追い越しのためのはみ出しが禁止されているということはドライバー誰もが知っていることですが、この黄色線と白の破線が並行して描いてあることが度々あります。
これは何を意味しているのか。破線があるときは破線側からははみ出して追い越していいと習ったような気がするが、どうも警戒してしまう。わからないからとりあえずそのまま車線に沿って走る。という人も多いのではないでしょうか。
しかしこの破線、中央線の破線と減速路面標示の破線を間違いやすいので注意が必要です。この記事では路面標示の意味と、その見分け方など書いていきます。
減速路面標示と中央線(破線)
この2つは紛らわしいので間違わないようにしないといけません。
減速路面標示は車線の幅を狭く見せることで心理的に減速を促す目的で描かれたものです。黄色の実線が双方向を対象にした場合は中央線を兼ねたものになります。中央線が黄色の実線であれば双方向とも中央線からはみだしての追い越しは出来ません。
黄色の実線と白の破線があるのが上の絵の右です。中央線は白の破線の方です。左側幅員が6m未満であれば、黄色線がない車線からは白の中央線をはみ出しての追い越しが可能(対向車線に設置された黄色線は対向車線への規制であるため関係ない)ですが、黄色の中央線がある側の車線からは、白の中央線をはみ出しての追い越しが出来ません。
これらを勘違いしないようにしなければなりません。
違いは
- 減速路面標示は車線の両サイドにある。
- 減速路面標示は中央線(破線)より線が短く、間隔が狭い。線幅も太いことが多い。
しかし一見簡単なようで、実際は減速路面標示が極めて中央線(破線)に似ているものもあり、さらに路側帯側の片方がほぼ消えていたり、破線の幅も中央線と同じタイプもあって紛らわしくなっていることがあります。
例えば阿蘇スカイライン展望所付近の県道12号(ミルクロード)のカーブの一部は破線の片側(路側帯側)だけがすべて消えている上に、中央線側の破線の間隔が広い、さらに破線も中央線と同じ幅であるため間違いやすい(グーグルストリートビュー2019年で確認)。
しかし2014年のストリートビューでは両側にしっかり破線が描かれていたので減速路面標示である。
減速路面標示
減速路面標示の写真の例を紹介します。
減速路面標示は、車線の両側に破線があるのが特徴です。しかし、路側帯側だけが消えていると、中央線と間違えそうになります。
中央線(一方のみはみ出し可)
中央線に黄色い実線と白の破線の2つがあるパターン。日本国内の写真素材が見つからず、手持ちもなかったので、イメージが掴めるように海外の写真素材を載せときます。
実際この路面標示は福岡周辺ではグーグルマップでも探すことが出来なかったです。見つけたら熊本あたりまでなら写真撮りに行きたかったが、う~ん見つからない。日本では一部の道路であるようですが、かなり珍しいと思います。
中央線ではなく車線境界線であれば、一部の高速道路の合流でみることができます。ただこの場合も減速路面標示と間違わないようにしないといけません。
最後に
減速路面標示と中央線(破線)の違いは分かりましたでしょうか?
ネット上では誤った記事も見かけます。例えば下の写真(フリー素材のもの。フォトACより)を使って、破線側からははみ出しておいこせるという間違った記事が書いてありました。ですがこの写真をよく見てください。これは減速路面標示です。破線の中央線だともっと間隔が広いです。
上の写真は箱根ターンパイクです。写真の位置をグーグルストリートビューで確認しましたが、これは減速路面標示です。右端にもわずかに破線が見えると思います。そしてこの白の破線は斜めにカットされていて線幅が広く間隔も短く、減速路面標示です。この破線は中央線ではありません。
破線が車線両側にあれば減速路面標示と覚えておきましょう。減速路面標示から間違って黄色線を超えて追い越しをしないように。
ただ、下の写真のように片側破線が摩耗で消えてかかっている場合もあるので注意。
よって片側だけ破線があっても中央線とは限りません。道路の状況(見通しの悪いカーブなど)を見て、大体の予測はつくと思いますので、道路環境をよく見ておくのも重要です。
ですが、はっきり言ってこの紛らわしい減速路面標示は、中央線と間違わないようにデザインを明確に変えるべきだと思います。