人間が直立歩行を初めて400万年。
足は人間の生命活動を支えてきました。足は健康のバロメーター。人間の筋肉の7割は下半身にあります。老化は足から。
歳をとると上半身より下半身の筋肉の萎縮が進みます。足を動かして歩くことは脳の活性化にも繋がります。足と健康は大きく関わっているのです。足と健康について色々まとめました。
老化は足から進むのだ
老化すると当然筋肉は衰えます。
老化して衰える筋肉は全身の中で大腿筋が一番早いのです。
大腿は非常に大きな筋肉です。30歳くらいまでは運動していない人でもほとんど衰えていませんが、30歳くらいから徐々に萎縮が始まります。40歳過ぎるくらいから萎縮が一気に加速。
遅筋はほとんど萎縮しません。萎縮の大半は速筋です。50歳を過ぎるとさらに加速。歳を取るほど足の筋肉はどんどん細くなっていきます。
足の筋肉が衰えると、屈伸が辛くなり、腰メインで物を持ち上げようとしがちです。そうするとそのうち腰を痛めます。
そうなると厄介です。また、ちょっと立ち上がったりするのが億劫(おっくう)になります。そうやって使わないでいるとさらに足が衰えていきます。
高齢者は注意!転倒→入院→そのまま寝たきりへ
高齢者の転倒は本当に気をつけないといけません。
高齢者は骨が若い人より脆いので普通の転倒でも骨折のリスクは高いです。転倒して大怪我をし入院してベッド生活。回復も若い人より遅いです。
病院での短期間のベッドレスト生活でさえみるみる足の筋肉は衰えていきます。そして完治する頃には足の筋肉がすっかり衰え、歩けなくなってしまい、怪我は治ったもののそのまま寝たきり生活へ。
そうなると今度は脳への刺激も減っていき、認知症リスクが高くなります。高齢者は一度の転倒が人生を狂わせてしまう結果になりかねません。転倒しないように細心の注意を。
転倒→入院しベッド生活→完治→足が衰えそのまま寝たきり→認知症
というパターン
高齢者はなぜ転びやすいのか
歳を重ねるほど筋肉は衰え腿は上がらなくなります。つま先も下がってきます。動きも固く、可動域が狭くなります。足を引きずるような歩き方になっていきます。
足先が地面スレスレを移動すると、ちょっとした段差があればすぐ引っ掛けます。足が地面で引っかかり、つんのめるとバランスを崩します。
高齢者は上体が前に傾いている傾向が強いので、足が詰まると重心が一気に前にずれてバランスを崩しやすいのです。
若い人なら足が引っかかっても反射的にすぐに反応してバランスを立て直しますが、老化で衰えてくると反射的に体が対応できませんのでそのまま転倒する可能性が高くなります。
バランスを失ったときに足が素早く前に出ませんので立て直せません。そして受け身をとれず転倒します。
原因は筋肉の衰えだけではありません。バランス・反射神経の衰え、柔軟性の衰えなどがあります。筋トレだけやっても転倒防止には十分だとは言えません。
歩くことのメリット
- 脳への刺激
- 筋肉への刺激
- 血行の促進
- ストレス解消
歩くことは足の筋肉を刺激するだけではありません。
脳も活性化します。認知症予防になります。
血行も良くなり下半身に溜まった血液を効率的に循環します。ふくらはぎの筋肉を動かして静脈を圧迫しポンプする事で足に溜まった血液を心臓へ効率的に戻します。歩くことは下腿静脈瘤の予防になります。
さらに歩く事でストレス面にもいい効果があります。
ただ漠然と移動するのではなく意識的に足を大きく前に出してしっかり腕を振ってメリハリのある動きでやると効果的です。つま先が下がると段差に引っ掛けやすくなるので、しっかりつま先を上げて足を運びます。
ジョギングは健康に悪いのか?
- ジョギング=フルマラソンではありません。
- ジョギング=苦しいのを我慢してハアハア追い込む必要はありません。
- ジョギング=日中紫外線を大量に浴びながら走る必要はありません。
- 活性酸素で老化が云々・・・そんなに走り込まないので心配いりません。
- 走り過ぎは悪い・・・極論はジョギングの本質ではありません。
「ジョギングとは楽に走り続けられるランニングのことです。」
健康目的に走るならば一度に走る距離は3km程度を推奨します。長くても10km以内。
距離ではなく時間で走るのも良いです。例えば20分など時間を決めた場合、ペースも距離も一切考えず20分だけ走ります。
ジョギングのペースの目安は、走りながらでも楽に会話ができる程度です。
きついと感じたらペースを下げます。負担が大きいと感じたら途中で止まって休憩を入れたり歩くのもありです。負担が大きすぎたと感じればもうそこで止めます。適度に負荷をかけて無理をしないのが健康的な運動です。
服装は走りやすければ何でもいいと思いますがシューズはランニング専用のものがいいです。
※変形性膝関節症や不整脈など心疾患がある人にはオススメできません。太っている方は走ると足への負担が大きいので怪我故障のリスクが高くなります。ウォーキングやクロスマシン、水中ウォーキング等がオススメです。
筋トレで足の筋肉をつけよう
筋トレと言っても何も高重量でバーベルスクワットをやれだの限界まで追い込めだのそういう事ではありません。
足を鍛える方法はいくらでもあります。健康のために筋トレして関節など壊したら本末転倒ですから、自分の年齢や体力に合わせたトレーニングをしましょう。
高齢者であれば椅子に座った状態から立ち上がり、また座る。これを繰り返すだけでも効果があります。若くて健康な人ならウエイトを使ってやると効果的でしょう。
筋トレはどこでも出来ます。
自宅でも出来ますが、市民体育館のトレーニングルームを利用するのもありです。
自宅だとすぐやめたり3日坊主になりかねませんが、トレーニングジムだと利用のためにお金を払うので割と続いたりします。ジムにはスタッフがいますのでわからないことがあれば聞くことが出来ます。
運動は習慣化しないと意味ありませんので、ウェアを揃えたりして形から入るでも何でもいいので、なにかしらモチベーションを高める工夫は必要かもしれません。
足を動かすことが健康につながる
下半身は二足歩行である人間にとって大変重要な部位。
毎日立って歩いて全体重を支え持ち上げているのです、そうやって筋量を維持しています。特に運動していない人でも片足のふくらはぎで全体重を楽に何度も繰り返し持ち上げることが出来るほどです。
足はその大きな負荷を毎日平然と繰り返しているのです。足を動かさないでいるとその当たり前のことが困難になります。日常での生活習慣の差が何年何十年も経って大きな差になります。
足は健康のバロメータ
足を動かして健康になろう