※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

キシリトールに虫歯予防効果はあり?なし?

キシリトールは虫歯予防効果があるとあらゆる歯医者のウェブサイトに書いてあり、厚生労働省のeーヘルスネットでも「虫歯予防効果が実証されている天然甘味料」と書いてある。

キシリトールは虫歯の原因にならない甘味料というだけではなく、キシリトールは虫歯を予防する効果を持った甘味料として宣伝され、スーパーや薬局に製品が並んでいます。

一見その効果は確立されたかのように思えます。

その一方で、キシリトールの虫歯予防効果の研究を集めて評価した2015年の系統的レビューではそのエビデンスは不足しているとされた。

本当のところどうなのか。

キシリトールは虫歯予防効果があるのか

厚労省では効果があるとしている

キシリトール製品を販売しているメーカーや歯科医院が謳うソースだと営利目的と思われて信頼性に疑問を持つ人もいるかと思うので厚労省のソース。

キシリトールはミュータンス菌に分解されず酸産生の原料になりません。ミュータンス菌はエネルギーを使ってキシリトールを菌体内に取り込みますが利用できないために菌体外に捨て、再びエネルギーを使って取り込むことでエネルギーの無駄使いを繰り返します。

出典:キシリトール(きしりとーる) e-ヘルスネット(厚生労働省)

厚労省のeーヘルスネットによればキシリトールのメリットは以下の通り

  • ミュータンス菌の活動を妨げる。
  • 脱灰した歯の再石灰化を促す役目。
  • 唾液分泌を促す。
  • 血糖値の急上昇がない。

以上、厚労省のeーヘルスネットを見る限りではキシリトールは本物らしい。

むし歯菌というのは歯を餌にしているわけではありません。むし歯菌は歯を食べているわけではなく、糖を餌にしています。

むし歯菌は糖を食べて酸を出します。その酸が歯のエナメル質や象牙質を脱灰させて最終的に固い歯を溶かしてしまうのです。

キシリトールではミュータンス菌が酸を作ることが出来ないのです。酸を作ることが出来ないだけでなくキシリトールを取り込んだミュータンス菌は代謝阻害をおこして減っていくというのです。

なお興味深い作用がこちらのサイトに書いてあります。

キシリトールとむし歯菌 テーマパーク8020(日本歯科医師会)

つまりキシリトールの作用によって虫歯になりにくいミュータンス菌へと変わっていくということらしい。

エビデンスが不足しているとするレビュー

ここまででキシリトールはミュータンス菌の活動を妨げる効果はあるということはわかった。じゃあ実際にキシリトールでむし歯は減るのか?それを分析した系統的レビューについて。

研究というものは一つの課題に対しても結果が異なることがよくあります。

系統的レビューとは、数多くある研究を専門家が一つ一つ評価をし、総合的に分析を行います。なのでたった一つの研究から結論を出すよりも信頼性があるものです。

この系統的レビューでは、むし歯予防効果について、研究の質が低いものが多くエビデンスとしては不足しているという結論。

このレビューは2014年までに行われた10の研究を集めて評価を行っています。このうち、小児の永久歯のむし歯予防効果が出たとする研究は1つあるが、他の研究の質は低く、成人にも効果があるというエビデンスが不足しているということ。

これらから言えること

つまりこういうこと。

キシリトールは虫歯の原因であるミュータンス菌を減らす効果はあるが、キシリトールが結果的に虫歯予防に効果があるかは確証的なエビデンスがない。

ただ、効果がないと言っているのではない。効果はあるかもしれないがそれを実証したエビデンス(医学的根拠)が現段階では十分に揃っていないという話。今後新たな研究がいくつも出てくれば確実なものとなる可能性もある。

また、キシリトールでミュータンス菌の活動を妨げ、悪いミュータンス菌を減らす効果はあってもミュータンス菌を完全に壊滅できるわけではない。さらにむし歯菌はミュータンス菌だけではない。ミュータンス菌以外をキシリトールで抑制できるわけではない。

キシリトールに「むし歯とさようなら」というような過剰な期待をすることは禁物で、ミュータンス菌の活動を妨げるものと理解したほうがいいのかもしれない。

じゃあキシリトール製品は食べる価値があるのかというと、キシリトールはむし歯をゼロにする魔法の甘味料ではないですが、キシリトールガムなどを試す価値はおおいにあると私は思います。

キシリトールガムなら何でもいいわけではない

キシリトールガムは各社から多く出ていますが、キシリトールと出ていれば何でもいいというわけではなく、原材料に砂糖が入っていないものでキシリトールが50%以上のものがいいとされています。

甘味料だとマルチトールやソルビトールはむし歯にならないので入っていてもOK。人工甘味料であるアスパルテームはむし歯にならないので入っていてもOK。

ぶどう糖果糖液糖や砂糖、水飴はNG。つまりむし歯や原因となるものが含まれないものがオススメ。また酸味料やクエン酸が入っていればpHが下がって酸性へ傾きますのでこれもNG。

キシリトール50%とは炭水化物のグラムあたり、キシリトールが占めるグラム数の割合。つまりパッケージの栄養成分表に、炭水化物100gとなっていて、キシリトール50gと表記があれば50%。

キシリトールはスーパーや薬局などで多くの製品が並んでいますが殆どはキシリトール50%かそれに満たないくらいです。

しかしオーラルケアの【歯科専用】キシリトールガムはキシリトールが炭水化物比でほぼ100%(甘味料として100%)という、これは歯医者で売っているものでガチな商品です。

ただキシリトールガムに過度な期待は禁物です。歯磨きの変わりにはなりませんし、むし歯が治ったり、むし歯にならなくなるというものでもないです。

食生活習慣と毎日の歯磨きが基本となり、それに加えてキシリトールガムを食べることで予防効果がより高いものになる可能性が期待できるというものです。

タイトルとURLをコピーしました