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条例の周知不足で勘違い!鎌倉市に食べ歩き禁止条例なんてないよ!

「鎌倉市では条例で食べ歩きが禁止されている」と思っている人は多い。

この原因はメディアの報道の仕方や、旅行や食べ物系の法人サイトや大手サイトが間違って伝えていることにあります。

この影響か、Google検索でも間違った結果が生成AIで一番上に出てくる始末。それだけ皆間違ってサイトに乗せているということでしょうか。

正しい情報を周知してほしいので記事にしました。

ちなみに現在日本には食べ歩き禁止条例はありません(2024年3月28日時点)。

鎌倉市の場合

「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」で、人の混雑した場所での食べ歩きを行わないように努めなさいと定められています。これは食べ歩きが禁止であるということではありません。あくまでも努力義務です。

鎌倉市はこの条例が誤って認識されているとして条例の周知啓発の協力を呼びかけています。

本条例は、歩きながら食べることを含む一部の行為やスポーツを禁止、規制するものではありませんので、ご理解ください。

出典:「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」の周知啓発にご協力ください|鎌倉市ウェブサイト

「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」の周知啓発にご協力ください|鎌倉市ウェブサイト
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kankou/r01mannerjourei.html
(※リンクはトップページのみということなので、リンクせずにURLだけ載せておきます。)

「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」の第2条で定められる、食べ歩きに関しての迷惑行為の定義は次のとおりです。

狭あいな場所又は混雑した場所で、歩行しながら飲食を行う等他者の衣類を汚損するおそれのある行為をすること。

出典:鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例 別表(第2条)2(2)

で、第5条でこの迷惑行為(狭い場所や混雑した場所での食べ歩き)を行わないことが努力義務となっています。

(市民及び滞在者等の責務)
第5条 市民及び滞在者等は、基本理念にのっとり、公共の場所における迷惑行為(他の法令の規定により禁止されている行為を除く。以下同じ。)を行わないように努めるとともに、マナーの向上を推進するため、市が行う施策に協力するよう努めるものとする。

出典:鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例

「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」解説|鎌倉市ウェブサイト
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kankou/documents/mannerrulesinstruction.pdf
(※リンクはトップページのみということなので、リンクせずにURLだけ載せておきます。)

京都市の場合

京都市には食べ歩きを禁止(または「行わないように努める」)というような条例はありません。

ただ、場所によっては

錦市場(狭い路地の商店街)では京都錦市場商店街振興組合により、お願いとして「食べながら市場の中を歩く行為はご遠慮下さい。」となっています。「禁止です」と書いていないので、禁止ではないのか?と思うかもしれないが、これは日本語のニュアンスの幅の問題もあるが、禁止と言う意味を柔らかく表現したようです。

条例上の「禁止」ではなく、まちづくりのマナー向上を目的としたルールでの「禁止」。ただ、英語表記では「No Eating while walking」と表示され、強い意味合いで明確に「禁止」と表現してあります。

錦市場へお越しの皆さまへお願いとご案内 MANNERS REQUEST|京都錦市場商店街振興組合
https://www.kyoto-nishiki.or.jp/manner/

祇園新橋地区は飲食物の食べ歩き禁止です。これも条例での禁止ではなくマナー向上を目的としたまちづくりのルール。

祇園新橋の取り決めとマナーについて 祇園新橋地区で禁止されていること|祇園新橋景観づくり協議会
https://www.gion-shinbashi.jp/c/manner.html

食べ歩きは法令違反ではありませんが、この祇園新橋地区のルールの中には違反すると法令違反となるものも多くありますので注意。

その他京都市の境内または各施設内では食べ歩き禁止となっている場所があります。

皆が気持ちよく観光するために各所のルールは守りましょう。

金沢市の場合

石川県金沢市も食べ歩き禁止条例はありません。

ただし、ひがし茶屋街や近江町市場など一部の地区ではローカルルールとして禁止にしているところがあります(条例の規制ではない)。

ひがし茶屋街(東山ひがし)では食べ歩きは禁止です。条例で規制しているわけではなく、東山親和会(町会)と、ひがしの町並みと文化を守る会(保存団体)が決めたまちづくりの方針としての禁止です。

貼り紙には「歩きながらの飲食は、ご遠慮ください。」となっていて「禁止」とは書かれていないが、錦市場同様に禁止というニュアンスのようです。

歴史ある街並みと美味しいものたくさんのひがし茶屋街。しかし食べ歩きは禁止。|石川県観光公式サイト
https://www.hot-ishikawa.jp/blog/detail_263.html

近江町市場でも食べ歩きは禁止です。近江町市場ではお昼の時間帯を中心に市場の場内放送でその旨を流しているとのこと。

近江町市場の公式サイトに食べ歩き禁止の注意書きが見つからなかったが、「近江町市場への撮影・取材のお問い合わせ」のページに「食べ歩き禁止」とわかる注意書きを発見。

近江町市場ではゴミと安全上の問題から場内各店の店先や店内フードコートで買った商品をお召し上がり頂いております。番組や雑誌掲載の中で食べ歩きを推奨するような内容、場内で食べ歩き出来ると勘違いされない様にご配慮お願い致します。

出典:近江町市場への撮影・取材のお問い合わせ|近江町市場公式ウェブサイト ※リンクはトップページにしています。

公益社団法人石川県観光連盟の石川県観光公式サイトで近江町市場では食べ歩きは禁止と書いてあります。下のURLから確認できます。

近江町市場でグルメ三昧♡おすすめ 7 店ご紹介!食べ歩きマップ付き|石川県観光公式サイト
https://www.hot-ishikawa.jp/blog/detail_294.html
※リンクはトップページのみということなのでリンクせずにURLだけ載せておきます。

正しく周知するために記事作ったが

鎌倉市の「公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」は混雑した場所では食べ歩きをしないように努めるというもので禁止ではなく努力義務食べ歩きそのものを禁止にしている条例ではないということ。

京都市と金沢市は条例そのものがなく、地区や場所のルールによって食べ歩き禁止にしている所はあるが、条例で規制しているわけではないということ。

ただ、僕等がいくら正しい情報の記事を作っても、Google検索エンジンが間違ったサイトを上位に並べているのでは全く意味がない。

「鎌倉 食べ歩き禁止」とGoogle検索すれば、一番真上に来るのがAI回答で、「鎌倉市では、2019年4月1日に「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」を制定し、混雑した場所での「歩き食べ」を禁止しています。」と間違った情報で出てきます。

特に法令関係はこのAI回答の品質をもっとあげてほしいところです。

この下に鎌倉市の公式ウェブサイト(正しい情報を掲載)が出てくるが、果たして何人がこれを見てAI回答の間違いに気がつくのか。

ちなみにGoogle検索アルゴリズムはかなり頻繁に変わるので、そのうち変わるかもしれません。

法令で禁止ではなくともルールは守ろう

ただ、法令で禁止になっていないから、罰則もないから、ここは公道だし、従わなくていい、というような考え方にはなってほしくないし、地区のルールで迷惑行為として禁止と決めていたりしているところでは、食べ歩きはしてはいけません。私有地など施設内でのルールだと特にそうなります。

他人のひんしゅくを買うようなことはしないのがマナーです。

これら特定の禁止場所以外では、食べ歩きは個人の判断に委ねられるということになりますが、

日本では食べ歩きはお行儀が悪いとされており、いいイメージを持たない人は多いです。これは食事中に食事以外のことをしない(テレビ、新聞、スマホ、歩きながらなど、「ながら食べ」がNG)という作法か元となっていて、食事に感謝の気持が感じられない、食べ物を正しく評価できないという理由で、つまり、食事を一つの神聖な儀式として考えている日本の文化が背景にあるようです。

一方で、食事はただの生理現象であり、栄養補給であり、腹を満たし、楽しむためのものであって、堅苦しく考えない・特に深くこだわらない日本人も多い。これらの人たちにとっては食べ歩きはお行儀が悪いことではないと考えているのです。

また祭りの露店形態の方式で食べ歩きやすいような形(それを前提とした販売形態)で、これを祭りやイベント以外でも日常から常時販売している観光客向けのお店も多く、これらは明らかに食べ歩きを想定とした販売形態でしょう。

日本古来の食事作法をいい始めるとその細かさ(正座する、食べる順番や食器の並べ方など)はキリがなく、神聖な儀式の場でもない限りは、普段の日常では皆どこかで妥協し割り切ったマナーで食べている。結局はどういう場所でどこまで拘わるべきかという問題に行き着くと思います。

いかなる場面でも食べ歩きはご法度だと思う人もいれば、膝を崩していいような場所では別にいいじゃないかという人もいます。

僕としては両方の考え方を尊重したいが、その場所に禁止ルールもなく、合理的なNG理由(作法を重視する神聖な儀式の場であるとか他人の迷惑になるとか)のない食べ歩きについては、個人の判断でいいと思います。

僕自身食べ歩きをするか?

時と場所と環境によります。

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